こんな風に打ってみたい!渡邉彩香の“直ドラ”【動画】
2016年「全米女子オープン」の72ホール目でリオ五輪代表の出場権を逃してから、更なる高みを目指そうとして調子を崩していった渡邉。ゴルフが嫌になることはなかったが、「出口が見えない。これ以上、何をすればいいんだろう。そういう気持ちはありました」という深みにはまってしまっていた。それでも家族をはじめ、マネジメント事務所のスタッフ、キャディ、スポンサー、そしてのちにタッグを組むコーチやメンタルコーチなど、周囲の人々は渡邉を暖かく見守った。
「調子が悪くても、みんな普通に接してくれていました。言いたいことがあれば遠慮なく言ってくる。私自身がまた勝てるということをイメージできないときでも、みんなは私がまた勝つ、また強い選手になると思ってくれていることが伝わってきました。だから私ももっとやれるとモチベーションにつながりました」
ジュニア時代から見守っている父・光晃さんは調子を落とし始めたころ、娘にある言葉をかけた。「プロテストに一発合格して、QTもシードもうまくいった。複数回優勝もしている。今までうまく行き過ぎたくらいだから、勉強だと思って向き合ったらいいじゃん」。この言葉でかなり前向きになれたという。
それでも不調が続き、父にも八つ当たりしてしまった。「相談はしないのですが、『こんなに練習しているのに、これ以上どうすればいいの!?』と当たったりしてしまいました。父が一番大変だったと思います。悲しそうな顔をするので、言い過ぎたかなって思いましたけど」と今でも思い出すと申し訳ない気持ちになる。