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“激動の1年”が終幕 悔し涙あり、笑顔あり…賞金女王へひた走った最終章【プレーバック・渋野日向子2019 11月編】

“激動の1年”が終幕 悔し涙あり、笑顔あり…賞金女王へひた走った最終章【プレーバック・渋野日向子2019 11月編】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2019年12月31日 08時00分

そして、ここからが冒頭で記したように一度谷をくだり、その後山を登る“アップダウンの激しい”2週間となる。女王争いのためにも「上位争い」が必須と考えていた翌週の「伊藤園レディス」だったが、周りが軽やかにスコアを伸ばしていくなか、渋野は停滞の時間を長く過ごすことになった。

21回目の誕生日となった11月15日に行われた初日。多くのギャラリーからの祝福を受けるなかプレーしたが、1アンダー・36位タイと大きくスコアを稼ぐことはできなかった。さらに2日目はパープレーで、前日とスコアは変わらず。終わってみれば、予選カットラインに1打及ばずの51位タイで、予選落ちを喫してしまった。今年3月の「アクサレディス」以来となるカットを味わい、その目からは涙もこぼれる。「“賞金女王”ということを私の口から言っちゃいけない」。受けたショックはあまりに大きいものだった。

さらにこの大会で、鈴木が“怒涛”ともいえる3連勝を達成。渋野にとっては、目指していた女王の座が、風前の灯になったことを意味していた。

だが、今年何度も奇跡と呼べるできごとを起こしてきた渋野は、次の試合が行われた愛媛で息を吹き返すことになる。今季も残すところあと2試合となった「大王製紙エリエールレディス」で、女王への望みをつなぐ優勝を手にしたのだ。伊藤園での予選落ちで支えてくれる人のありがたみを再確認。「ここまで“誰かのため”に勝ちたいと思ったことはなかった」という思いでつかんだ勝利だった。

この結果、女王争いは最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に持ち越された。それでも渋野に課された逆転女王への最低条件は『単独2位以上』。そのうえで鈴木の結果次第と、ハードルは決して低いものではなかった。

最終決戦が行われた宮崎のコースには、連日日が暮れるまで居残り練習に努める鈴木と渋野の姿があった。そして渋野は一縷(いちる)の望みにかけるように上位争いを続け、最終日を3位で迎えた。最後は、優勝したペ・ソンウ(韓国)に4打及ばずの2位タイで大会を終え、鈴木が2季ぶりに女王を奪還するというエンディングを迎えたが、最後の最後まで見る者に期待感を抱かせるそんな4日間だった。

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