今年6月の菊地絵理香のドライバーショット【連続写真】
■ショットメーカーでクレバーなゴルフをするからこその不振
2013年から5年連続で4000万円以上獲得している菊地だが、今季は苦しんでいた。4月の「スタジオアリス女子オープン」で2位タイ、5月の「ほけんの窓口レディース」で6位タイがあるが、それ以降でトップ10に入ったのはミヤギテレビ杯まで1度のみ。昨年年間トップ10回数7位の実力者からすると寂しい順位が続いた。辻村氏はこうなってしまった理由の1つとして、菊地のスタイルとツアー全体の大きな傾向の変化によるものだという。
「菊地さんはボールの落としどころ、落ちてからの転がりを計算してゴルフを組み立てる選手。それはショット力があるからに他なりません。また、難しいホールではピンではなくグリーンセンターを狙うなどメリハリのある攻め方ができるクレバーなゴルファーです。だから、多くの選手が苦戦するようなコースで強い。砲台グリーンが多いところ、グリーンが固くて止まらないところでこそ真価を発揮します」
そんなショットメーカーのアドバンテージが、減少するような傾向が今年のツアーでは見られたのである。
「今年の女子ツアーは全体的に柔らかく重たいグリーンが多い。ということは多少ショット力が不足していてもビタッとボールを止められる。加えてボールのランが出ないわけですから、落とした後の転がりがイメージよりちょっとブレても大きなミスとならない。ほとんどの選手がピンをガンガン狙っていきますよね。そうなると菊地さんの良さが出にくくなる」
