北田の言葉を借りるまでもなく、老若男女が一緒にできるゴルフは、パラスポーツとしても優れている。だが、それを肌で感じている者が、ゴルファーの中にどれほどいるだろうか。障害者と一緒にプレーする、そのプレーを見る、レッスンする、それを伝える…。どれも不足しているように見える。
ツアー競技のプロアマに障害者枠を設けたり、普通にもっと参加を促したりするのは決して難しいことではない。さらに、大会期間中に障害者ゴルフを紹介するのもいいだろう。今年も、男子ツアーの「長嶋茂雄インビテーショナル セガサミーカップ」では、DGPのブースが置かれることが決まっている。ギャラリープラザでそれを紹介する試みは、もっともっと広がって行ってもいいのではないか。男女に加えシニアの各ツアーも社会貢献活動をしていないわけではないが、もっと積極的にそうした活動をするべきではないか。
プロひとりひとりも、様々な機会に障害者ゴルファーとプレーすることは少なくないだろう。それをもっと広めてほしい。それは障害者ゴルファーにとってだけでなく、あらゆるゴルファーや、ゴルフ関係者にとっても大きな意味を持っている。ゴルフの素晴らしさを広めることにつながるからだ。利用するのではなく、みんながみんなのためになる。
『ゴルフができる喜び』は、誰にとっても幸せなキーワードなのだから。『スポーツが持つ力』を、もっとアピールすること。それはツアーの使命であり、生命線でもあるはずだ。(文・小川淳子)