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女王候補の復活 最強のショットメーカーが手にした迷いを消すパター【辻にぃ見聞】

女王候補の復活 最強のショットメーカーが手にした迷いを消すパター【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年6月11日 17時41分

パター変更による数値の大幅な向上を辻村氏は「ショートパットの精度が向上したのでは」と見ている。

「マレットタイプを使用することでアライメント(カップ、ボールに対するパターのフェースの向き)をしっかり合わせられるようになったことが非常に大きいのではないでしょうか。去年までミニョンさんはセットアップ(フェースの向きを合わせる)段階で、何度もやり直していました。そして首をかしげながらアドレス。そのくらい不安がありました。ですが、今年を見る限りパッと構えてパッと打てている。しっかりと出球のインスピレーションが沸いている証拠でしょう。それはつまり入る可能性が高いということです」

その成果が一番出ているのがショートパット。「マレットはヘッドが大きく直進性が高いので、ある程度技術をカバーしてくれる。アライメントに不安があるアマチュアの方は一度使ってみるのもありだと思いますし、ピンをエースの方も多いと思いますが、気晴らし用で一本持っておくのもアリだと思います」と辻村氏も薦める。

■コーチと二人三脚で作り上げたパワーフェード 師からの喝
ミニョンの代名詞と言えば飛距離の出るパワーフェード。ストレートの軌道からやや右に曲がりながら落ちてピタッと止まるその球筋は、来日当初同じショットメーカーでもイ・ボミ(韓国)らドローヒッターの多い女子ツアー界において異彩を放った。

そのパワーフェードはジュニアのころからミニョンを見ているミンコーチと作り上げたもの。ミンコーチと大学で先輩後輩の間柄に当たるという辻村氏が、パワーフェード誕生のエピソードを聞くとこんな話をしてくれたそうだ。

「ミニョンさんは元々ドローヒッターだったそうです。今からは想像できませんが、勝負どころでミスをするタイプで、特に大事なところでチーピンが出てしまっていた。原因はクラブがボールの下から入ることです。そこでミンコーチは、ミニョンがフェードを打てる体格を持っていると見込みフェードを教えることにしたそうです。最初はひたすらドが付くほどのスライスを打たせた。アウトサイドインの軌道を身につけ、絶対にしたからクラブが入らないようにしたそうです。その時の“日本語で言うとあれだよ、大根切りをさせたんだ”と言うフレーズはすごく印象的でした」(辻村氏)

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