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プレー完遂への努力が足りない日本【小川淳子の女子リポート“光と影”】

プレー完遂への努力が足りない日本【小川淳子の女子リポート“光と影”】

配信日時:2019年6月4日 17時11分

秋分の日前後という決して日が長い時期ではないから無理もない、という言いかたもできる。だが、果たしてそうだろうか。日本ゴルフ協会(JGA)主催の日本女子オープンが「オープン」であることに重きを置くのなら、6月末の夏至近辺に大会を行えばいい。以前はまさにこの時期の開催だったが、わざわざ日の短い時期に移っている。様々な事情があるのはわかるが、何が一番大切なのか、と言うことを改めて考えるべきだろう。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)主催の日本女子プロ選手権も同様だ。オープンではないが自ら「メジャー」を謳うのであれば、フィールドはできる限り大きいに越したことはないはずだ。

大会をきちんと終わらせる努力と言う点では、日本のツアーはまだまだ足りないことだらけだ。例えば、今回の全米女子オープンは2日目の競技が雷雨で約2時間中断。再開した後、日没サスペンデッドとなっている。翌早朝に残りのプレーを再開し、ホールアウト後、第3ラウンドに突入したが、これはメジャーに限らず米ツアーでは日常茶飯事だ。完全に天候回復の見込みがない場合はその日のプレーがまるごとなくなることはあるが、基本的には順延。大会全体のホール数が減ることはめったにない。

1日のうちにプレー、中断、再開を繰り返した挙句にサスペンデッドと言うことも決して珍しくない。月曜日まで順延されてもだれも驚かないし、選手も慣れたもの。中断の時間を上手に過ごす。「mother nature(母なる自然)」に文句を言うものなどほとんどいない。

それに比べて日本はどうだろう。最近は「メジャー」と自称している公式戦こそ予備日を設けている。日本女子オープンは、月曜まで順延されたこともある。しかし、それ以外の大会は、何が何でも日曜日で終わりにすることがほとんどだ。「テレビ放送の都合」、「ゴルフ場の一般営業への影響」、「月曜日ではギャラリーが入らない」など、できない言い訳はいくらでもある。だが、54ホールなり72ホールなりを完全に行うという強い意志が、そこには感じられず、この点に限って言えば「世界基準」には程遠いと言わざるを得ない。

今回の13人に関して言えば、畑岡奈紗をはじめとした米ツアー勢が揃って予選落ちし、日本ツアーから参戦した6人が予選を通過するという意外な結果となった。だが、それでもまだ、日本で戦っている選手達は天候や状況に順応する経験が足りないのが実情だろう。54ホール、72ホールをきちんと戦うのが当たり前と言うツアーになること。そのための努力を惜しむべきではない。ナショナルオープンに関しても同様だ。(文・小川淳子)

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