「やりたいことに向かって頑張っている姿を見ると、『うらやましいな』と思うこともあるんです。これからも好きなようにやってもらいたい」と、母は温かい眼差しで今後の活躍も見守り続ける。一方父は、「来年のプロテストは本当に大変だけど、そこは通過点。人よりも練習して、体のケアもしっかりして長く活躍できる選手になってもらいたいですね」と、ずっと練習をともにした“コーチ”としての視点も交えながら、叱咤激励の言葉とともに娘の背中を押していく。
「ここまで来たのは、もちろん彼女が頑張ったからです。プロになって活躍して、こいつに還元してくれればいいんです。色々ガマンさせてきましたから」。そう言うと武彦さんは、表情をやわらげて、この日一緒に応援に来ていた陽翔くんの頭を撫でた。(文・間宮輝憲)