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“序盤のスパート”が奏功した申ジエの勝負勘 初シードを手繰り寄せた2人の選手のヒミツは?【辻にぃ見聞】

“序盤のスパート”が奏功した申ジエの勝負勘 初シードを手繰り寄せた2人の選手のヒミツは?【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2018年9月11日 12時08分

■LPGA正会員入りへの気迫
ジエに続き2位タイに入ったのが、韓国のジョン・ジェウン。2015年の日本ツアー参戦時から辻村氏は、「スイングがキレイで、ストロークにクセがない。プロでもストローク時のクセがない選手は1割ほどしかいない。パットでゲームを作るタイプというのは自分で分かっていると思います」と、グリーン上の技術に目を奪われていたという。

ジェウンのスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは「233.64ヤード」で57位。パーオン率は「63.2155%」の66位と、ショットに関しては平凡な数値が並ぶ。しかし、平均パット数を見ると、パーオンホールが「1.7867回」で6位、1ラウンド当たりが「28.8485回」で5位と上位を争っている。今大会でも、その日のベストスコア「68」をマークした3日目に、要因を聞かれたジェウンは「ショートパットが良かった」と自身のラウンドを分析していた。

また、この大会で賞金1580万円を加算し、約3651万円としたジェウン。日本ツアー参戦1年目の15年以来となるシード入りが確実な状況となった。現在はTP単年登録でツアー参戦をしているが、賞金シード獲得による正会員への道が開くことも濃厚。来年度から、QT受験者をLPGAの正会員に限定するという規定になるため、「シードを獲る実力があったが、正会員となるためさらに気合が入っている」(辻村氏)と気持ちの乗ったプレーが続いていた。

■先輩から学ぶ姿勢
今大会で日本選手最上位の4位タイとなり、初シード獲得に大きく前進した大出瑞月濱田茉優にも注目。この2人の共通点として“先輩との関係性”を辻村氏は挙げた。

「大出選手は青木翔コーチ、濱田選手は井上忠久コーチに師事していますが、先輩と積極的に練習ラウンドを行っている姿をよく見かけます」

濱田は佐伯三貴、大出は鈴木愛とラウンドする光景を辻村氏はよく目にしていたという。辻村氏が「もともとスイングの完成度が高い」と話す濱田にとって「ショートゲームの引き出しはプロで随一」(辻村氏)という佐伯とのラウンドや食事は、グリーン周りの技術に磨きをかけるいい機会となる。特に今回のコースは、グリーン周りのラフが逆目となっていて、アプローチに苦戦する選手を目にする機会も多かった。「逆目でのプレーで選手にかかるストレスは、順目に比べて5倍くらいは違う」と辻村氏はいうが、日頃の成果がこの大舞台で発揮された。

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