<リシャール・ミル チャリティトーナメント 2日目◇25日◇朱鷺の台カントリークラブ(石川県)◇6838ヤード・パー70>
ツアー通算1勝の23歳、長野泰雅がボギーなしの5バーディを奪って「65」をマーク。午後組がスタートしたばかりではあるが、トータル9アンダーの首位に立ってホールアウトした。
今週のモチベーションになっているのが、特別賞の『ツアーホール賞』だ。1番、10番、18番に設けられており、4日間を通じて各ホールの合計スコアが最少となった選手に賞金が贈られる。賞金額は合計3600万円(各ホール1200万円、複数均等割)。今大会はチャリティ活動にも力を入れており、支払額のうち5%を選手会から復興支援のために寄付する。
昨年は18番ホールのみが対象で、最終日にイーグルを奪った長野が1600万円を獲得。しかし、今年は3ホールに対象が広がり、賞金総額もアップした。「それだけは意識しています」と即答し、“連覇”を狙っている。この2日間では、1番が1アンダー、10番がイーブン、18番が2アンダーとなっている。
1番は左ドッグレッグで、498ヤードと距離が長く、フェアウェイも狭い。グリーンも硬く締まっており、「難しい」と話す選手が多いホールだ。初日の平均スコアは『4.267』で、難度は18ホール中2番目。それでも長野は、「それ(特別賞)のおかげで、1番ホールがすごく簡単に感じます」と話す。
特別賞がかかっていなければ、「全然、難しいですよ。長いですし」というが、「バーディマストで考えているから、ボギーにならない気がします」と、気持ちの面でプラスに働いている。マネジメントはもちろん、ショットを打つ際にもネガティブなことが頭に入らない。
「1番でバーディが取れたら(そのあとは)自然と良くなっていく」というイメージがあり、1番でバーディ発進を決めたこの日は、まさにその流れを体現した。
もちろん、「優勝も考えている」。ただ、モチベーションになっているのはビッグボーナスの獲得だ。そのため、すでに特別賞金の行方も予測している。「(4日間で)3アンダーだったらほぼ確定じゃないですか。18番も3アンダーだったら割り勘でいけるかな。10番は諦めています」。
決勝ラウンドの2日間は、10番パー4(386ヤード)のティイングエリアが前に出る予定で1オンが狙いやすいホールとなる。バーディが量産される可能性がある一方、この2日間で貯金を作れていない長野は「無理なので刻みます」ときっぱり。賞金の行方を冷静に見極める。無理に攻めない決断力も長野の強みだ。
3ホールが設定されていることは、18ホールを回るなかでのメンタル面にも影響しているという。1番はアウトのスタート、10番はインのスタート、18番はインの最終ホールに位置するため、「節目というか、ちょうど頑張れるところが間にあるから、頑張れているのかもしれない。ずっと悪くても10番で頑張れるじゃないですか。そして、また18番で頑張れるから、助かっています」と笑顔を見せる。
どの大会でも優勝を狙う姿勢は変わらない。その結果につながるモチベーションは、選手によってさまざまだ。今回は、ゴルフで賞金を稼ぐプロだからこその“ビッグボーナス”が、長野の背中を押している。
仮に優勝賞金2000万円と2ホール分の特別賞金獲得となれば、その総額は4400万円となる。果たして、どれだけのボーナスを持ち帰ることができるのか。好位置で迎える決勝ラウンドの戦いに注目だ。(文・高木彩音)
