5月の「日本プロ日清カップ」では、今回と同じく4打のリードを持って最終日を迎えたがスコアを崩して優勝を逃した。この日も「18ホールが不甲斐なさ過ぎた」と調子を崩し悪夢再現かと思われたが、「今回は持ちこたえられた。気持ちを切らさずできたのは成長したと思う」と苦しみながらも優勝につなげたことには満足感を示した。
プレーオフに入ると富士桜CCには大粒の雨が落ちた。それでも18番グリーンを取り囲んだ大ギャラリーは、本州では渡米前最後のプレーとなる21歳から目を離すことはなかった。多くの歓声に後押しされた松山は「10月からアメリカに行ってきます。PGAツアーでも応援お願いします」としばらく留守にする本州のファンに惜別の挨拶。富士のふもとに降った雨と、満開に開いた傘の花が怪物の船出を彩った。