そんな手嶋には、いま困っていることがある。再来週、宮崎県のフェニックスカントリークラブで行われる「ダンロップフェニックス」の水曜日に、隣のトム・ワトソンゴルフコースを練習ラウンドしたいと考えているが、一緒に回る相手がいないのだ。1人で回るのはNG。誘っていた賞金ランキング66位の藤田寛之は、水曜日に同大会のプロアマが入ったため行けず。かといって、「落ちそうな人に『行こうや』って言えないでしょ。誰かおらんかな。回れなかったら、最悪コースだけでも見に行こうかな」。
ついに職場を失いそうな手嶋だが、その口調は相変わらず明るい。「雰囲気だけは、どうしても暗くなりますよね。今まで何十年もやってきて、いきなりシニアだけっていうのもね…。レギュラーもちょっとは出たいので、あと2日間頑張ります」と最後まで笑顔を絶やさなかった。「日本オープン」、「日本プロ」、そして今年「日本シニアオープン」のタイトルを獲得し、若い選手たちからも慕われている“とにかく明るい手嶋”の生き残りをかけた戦いは続く。