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「失うものはなし」未完の大器・大堀裕次郎 どん底からの生還で初Vへ

「失うものはなし」未完の大器・大堀裕次郎 どん底からの生還で初Vへ

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2021年7月3日 08時30分

<日本プロゴルフ選手権 2日目◇2日◇日光CC(栃木県)◇7236ヤード・パー72>

大阪学院大4年時に「関西アマチュアゴルフ選手権」と「日本アマチュアゴルフ選手権」のタイトルを獲得し、「関西オープン」では2日目を終えて単独首位に立つなど、トップアマとして活躍した大堀裕次郎が「日本プロゴルフ選手権」の舞台で優勝戦線に浮上した。

同学年の石川遼、松山英樹に続く期待の若手として当時注目を浴びた大堀。2013年にプロ転向した後は16年から3年連続でシード権を獲得したものの、ツアー優勝には届かなかった。さらに19年のシーズン終盤に8試合連続で予選落ちを喫し、まさかのシード落ちを経験する。

不調の原因は右足首の故障にあった。「三角骨障害といって、ジョーダン・スピースと同じ故障です」と大堀。18年オフに右足首を捻挫(ねんざ)したのがきっかけで、本来はすぐにでも手術をしなければならない状況だった。しかし、19年はシード権を保持していたため、無理に試合に出続けることを選んだ。しかし、その選択は裏目に出る。痛みに耐えながらプレーしたことでスイングに乱れが生じ、ショットの方向性に支障をきたすようになったのだ。結局、シード権を失った後、ファイナルQTでも失敗。昨年はレギュラーツアーに1試合も出場することなく終わったが、ついに12月24日に手術を受け、1週間後に退院した。

リハビリ生活を送っていたが、今年の3月からようやくクラブを握れるようになり、小平智との米合宿にも参加。その流れで米国男子ツアーの「ザ・ホンダ・クラシック」では小平のキャディを務めた。ビジェイ・シン(フィジー)、スティーブ・ストリッカー(米国)と同組になったが、「波風を立てずにプレーしているのが参考になりました」と新たな発見もあった。さらに、「これぐらい余裕を持って自分もプレーできたらな」と痛感したという。

振り返ってみれば、周囲からの期待が大きかったぶん、どこかで自分を追い詰めていたのかもしれない。今大会には6月28日に行われた出場選考会で5位タイに入って出場権を得たが、今となっては失うものもなく、開き直りの気持ちで初日を迎えた。その初日は「72」と出遅れたが、2日目8バーディ・1ボギーと、この日のベストスコアとなる「64」をマーク。71位タイから7位タイへと一気に順位を上げた。

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