ドローヒッターの上井だが、なぜフェードを打とうとしているのか。「上井プロのように開いて閉じて打っていた人は、ドローをイメージすると返す動きが入って悪くなりやすい。フェードを打たせても上井プロはそんなにフェードしないんです。ちょっとつかまってソフトドローか真っすぐ。イメージはフェードでちょうどいいんです」と吉田氏は説明する。
テークバックでシャットに上げるのにもちゃんと意味がある。「スイングの始めでフェースが開いてズレないようにです。開くと右に行きそうで返したくなる。テークバックでつかまえる状態を作ると、安心感があって手で返さなくなる」。“フェード”と”シャット”の意識で上井のドライバーにはもうあの頃の面影はない。曲がらないだけでなく飛距離も伸びて、「今では弾道計測器のトラックマンでキャリー300ヤードを超えていきます」と吉田氏も太鼓判を押す。
決勝ラウンドの目標を聞かれた上井は「やっぱり優勝争いしたいというのはあるし、あんまりそこも意識しすぎるとあれなので、課題をやって優勝争いに絡めれば最高ですね」と久しぶりに訪れたチャンスを楽しむつもりだ。(文・下村耕平)
