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日本ツアーは「主戦場」から「経由地」へ 2年連続での韓国勢1勝が意味するもの【記者の目】

日本ツアーは「主戦場」から「経由地」へ 2年連続での韓国勢1勝が意味するもの【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2018年10月23日 13時32分

それと平行して、近年は日本の若手の台頭が目立ってきている。昨年は今平に小鯛竜也が初勝利。さらには時松や片岡大育といった20代の主力選手たちが勝利を重ねた。そこにきて今季の初優勝ラッシュ。そんなところにも韓国勢の勝利数減に影響を与えているといえる。

毎年のように来日し、勝利を重ねてきた活きのいい若手の韓国勢はどうしたのか。そこで思うのが15年に高校生ながらプロ転向。16年から日本ツアーに参戦したイム・ソンジェの存在だ。16年は参戦初年度でシードを獲得し、昨年は未勝利ながら賞金ランキング12位に入った。今季は初優勝が期待されながら、彼は米国に渡った。下部ツアーのウェブ・ドット・コムツアーのQTを受験し、18年シーズンは同ツアーで2勝を挙げて賞金ランキングトップ。プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれ、2018-19シーズンの米ツアー切符を手にした。

ソンジェだけでなく、日本ツアー2勝のイ・キョンフンもウェブ・ドット・コムツアーの賞金ランキング9位で同じく米ツアー昇格を果たしている。将来有望な選手たちがこぞって米ツアー行きを決めていることも、日本での勝利数減につながっているのではないか。

若いうちに海外挑戦を果たし、結果を残す。韓国勢から見れば日本も海外ツアーではあるものの、当たり前のような存在になっていた韓国からの日本主戦場というルートも、今後は崩れる可能性がある。今では日本のQTには東南アジアからの選手が多く進出してきていることからも、日本は海外勢にとっては主戦場というよりも、欧米ツアーへの経由地になってきているといえるのではないか。

ただし、これは海外勢に限ってのことではなく、日本勢も同じだ。今年4月の「RBCヘリテイジ」を制し、飛び級で米ツアー切符を手にした小平智は異例として、谷原秀人宮里優作片岡大育はワンチャンスをものにし参戦した欧州ツアー転戦でもまれている。海外に行きたいと目を輝かす若手が増えているのも事実だ。これを日本ツアー主力の空洞化と捉えるか、グローバル化と捉えるかは人それぞれだが、日本ツアー出身者が世界で活躍を果たせば、日本ツアーの価値は逆に上がるのではないかと思う。

女子ツアーではアン・ソンジュが今季5勝。申ジエが3勝。黄アルムが2勝、そのほかにもイ・ミニョンペ・ヒギョンらが勝利を重ね、韓国勢強しの構図は変わっていない。それでも彼女たちが米ツアーに挑戦するかといえば答えはNOだろう。世界でも有数の試合数と賞金額を誇る日本の女子ツアーは居心地がいいのだから。
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