<インターナショナルシリーズ・ジャパン 初日◇2日◇カレドニアンGC(千葉県)◇7126ヤード・パー71>
昨年11月の「カシオワールドオープン」で初優勝を挙げて賞金ランク5位に入った大岩龍一は、出身地・千葉県で行われているビッグトーナメントの初日を4アンダーで上がってきたものの、どこか浮かない表情。「あまりいい感じはしない」。オフの調子が良くなかったことや、3月にニュージーランドで行われた今季ツアー開幕戦の「ISPS HANDA ジャパン-オーストラリア選手権」で予選落ち(トータル11オーバー)したことも、その感触を悪くしている要因だ。
午前組のひとりとして10番からスタートしたが、序盤は「雨もきついし、寒いし、体調も良くない」とピンチを切り抜けながらのラウンドだった。ただ15番で“思い切った選択”をし、これがその後のバーディを呼び込んだ。「雨でアイアンも飛ばないし、大きい(番手)を持とう」。このパー4の2打目は残り185ヤードだったが、アゲンストも考慮し普段この距離で使用する6番アイアンではなく、キャリーで200~205ヤードの5番アイアンを握り初バーディ。スコアを伸ばすうえで、これがいい指標になった。
晴れない顔をしていた大岩だったが、調子が上がらなかったはずのオフの話になると、その表情に明るさが戻ってくる。「あまり練習はせずに料理ばかり作ってました」。1年前から自炊に目覚め、今ではすっかり「趣味」になった。
「ゴルフはあまり上達してないけど、料理は上手くなってますよ」と話す姿は生き生きとしている。開幕前日も、最近購入したという圧力鍋でスペアリブの赤ワイン煮を作り、力に変えた。よく作るのは「15分で作って、5分で食べられる」というパスタ。レシピサイトやYouTubeを参考に、メニューを考える毎日を過ごす。
『なぜそこまでハマったのか』という質問の答えが、ゴルファーならでは、とも感じる。「料理はレシピ通りに作ればその味になるけど、ゴルフは思い通りにいかないじゃないですか。まったくコントロールできない」。そう言って笑う。予測不能な競技の世界で生きていく拠り所が、予測可能な趣味というわけだ。
アジアンツアーがLIVゴルフと手を組み行われるこのインターナショナルシリーズは、賞金総額が200万ドル(約3億2000万円)と高額なのも魅力的。初日は上位で滑り出し、「日本ツアーではないけど賞金は大きいし、地元だし」という部分はもちろん気になる。ただ、今は「あしたからもちょっとずつ伸ばせれば」と現状のなかでベストを尽くそうという気持ちが強い。今季の目標は「日本で1勝」。来週の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」(9~12日、三重・東建多度CC)から本格化するシーズンを見据える。
今晩のメニューを聞かれると、「ステーキ肉を解凍してるので」とニヤリ。「棄権したら(包丁で)指でも切ったと思ってください」。そんな冗談も飛び出すが、オン・オフを使い分けて自らの手料理をあすもパワー源にする。(文・間宮輝憲)
