復活劇の始まりに『TOUR B』ボールがあった
契約発表の記者会見で「私は勝つためにツアーに戻ってきた。革新的で画期的なブリヂストンのゴルフボールが、勝利に導いてくれると信じている」と語ったタイガー。その言葉は現実となった
おそらく、スポーツの歴史に残るであろう、タイガーの見事な復活優勝。その始まりは、2016年のボール選びからだった。タイガーと長年パートナーシップを組んできたナイキがその年、クラブ・ボール事業からの撤退を表明。タイガーは新たなギア選びを迫られる事になった。
そのとき、タイガーがコメントしていたのが「まず、ボールを決めないと」ということだった。当たり前の話ではあるが、ゴルフはボールを操って、それをカップに入れるスポーツだ。そのボールが意のままにコントロールできるものでなくてはならない。様々なメーカーのツアーボールを試し、タイガーが選んだのが、ブリヂストンの『TOUR B330S』だった。
タイガーに「変えないでほしい」とまで言わせた前作「TOUR B330S」をさらに進化させたブリヂストンゴルフ「TOUR B XS」。タイガーはその性能を「私のプレーに実に合っている。これ以上のものはない。理想のボールだ」と絶賛した
タイガーはこのボールの性能に惚れ込み、モデルチェンジの際も性能を変えないで欲しいとメーカーにリクエストしたという。そこで、前モデルの良さを最大限に活かし、ディンプルパターンを変えるなどして、より適正化した結果生まれたのが、現在も愛用する『TOUR B XS』だ。
タイガーは、2014年から2015年にかけて、深刻なアプローチイップスに陥っていたと言われている。練習場での簡単なアプローチで、タイガーがシャンクを繰り返す、衝撃的な映像を見たことはないだろうか。トッププロであってもイップスの克服は困難を極める。あのタイガーでさえ陥るイップスの奈落に、背筋が冷えるような思いをした競技ゴルファーは多いだろう。
しかし、タイガーは、ケガだけでなくアプローチイップスも克服した。今季のストローク・ゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(※アプローチの貢献度)は、ツアーで11位。スクランブリング(=リカバリー率)は4位だ。豪打だけでなく、アプローチでパーをセーブして、プレーリズムを作っていく、タイガー本来のプレースタイルが完全に戻ってきている。
『TOUR B XS』はアプローチでのスピン性能が極めて高く、ソフトなフィーリングが持ち味のボールだ。フェースに乗る球持ちの良さが特徴で、同じくブリヂストン契約のマット・クーチャーも愛用している。100ヤード以内のボールコントロールで勝負するクーチャーのようなプロには、『TOUR B XS』のスピン性能が欠かせないという。糸巻きボールで技術を作ってきたタイガーが『TOUR B XS』のソフトな感触を好むのは納得感がある。