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意外と打てる?! 難しいはずのロングアイアンを勧める理由

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2018年9月28日 18時00分

ユーティリティにはないメリット

ロングアイアンで打つ距離には、ショートウッド、UTなど選択肢が多い

ロングアイアンで打つ距離には、ショートウッド、UTなど選択肢が多い

この10年余りで、ロングアイアンを完全に駆逐した感のあるユーティリティだが、そのメリットは大きい。一般的なウッド型ユーティリティでいえば、重心位置が深くなる分、ボールは上がりやすく、ミスヒットに強くなる。また、ロングアイアンに比べると、格段につかまりがいいモデルが大半だ。アマチュアゴルファーが苦手とする、180ヤード前後の長い距離を攻略する上で、心強い味方だと言える。

だが、あまり指摘されない欠点もある。アイアンセットと振り心地が揃うセットにするのが難しいことだ。クラブとしての特性が大きく違うため、フェースの返り方やトゥダウンの度合いなど、スイング中のヘッド挙動がアイアンとは異なるのだ。アイアンセットの上にユーティリティが入ったセッティングの場合、その番手間で、操作感やボールの上がり方、振り心地などが別物になるケースも少なくない。

この現象は、仮に同じシャフトが装着されていても起こる。ヘッドの重心位置の差が大きいため、シャフトの挙動に差が生まれるためだ。また、ユーティリティ自体、モデルによる形状の違いが大きく、合う合わないがはっきり出やすい。運良く、アイアンセットと違和感なく振れるクラブに出会えるといいのだが、クラブ選びもシャフト選びも簡単ではないのが実情だ。

その点、ロングアイアンを入れるメリットは、ミドル・ショートアイアンとの流れが良くなることだ。単に同じように振りやすくなるだけでなく、番手間の距離や高さも適切にフローしやすい。風の影響やボールの曲がり幅もイメージがしやすいので、例えば、パー3の番手選びなどはシンプルになる。

6番アイアンの上にユーティリティを入れていたとしよう。ユーティリティのほうが、6番アイアンよりもボールが高く上がり、つかまりも良いといったことが起きる。場合によっては距離も一番手以上出るだろう。そうすると、番手選びで迷う際に、風の影響や飛距離を計算するのが複雑になるおそれがある。やさしく高弾道のボールが打てるユーティリティは、そのワンショットだけで言えばありがたいのだが、よりシリアスなゴルフでは、単純に良いと言い切れない側面があるのだ。

上級者は、それほど飛距離が出ない人でもアイアンの本数が多いゴルファーが多い。3番アイアンや4番アイアンを入れているケースが少なくないはずだ。コース攻略を考えたときに、彼らはなるべく同じ様に打てて、セット内で距離差や球筋がきちんと揃うほうが良いと考えているのだ。

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