8月16〜19日、USPGAツアー最終戦のウィンダム選手権でブラント・スネデカーが完全優勝。先天性の病と戦いながらも世界最高峰の舞台でコンスタントに勝ち続ける事ができる理由とは?
ギアにこだわるショットメーカー
つらい時期に支えてくれた家族と。(写真:Getty Images)
実はスネデカー、09年から胸の痛みと闘っていた。原因は、先天的に骨密度が極端に低い体質あった。13年に2勝、15年1勝、16年1勝と、コンスタントに勝利を重ねているが、その間、左右股関節の手術をするなど万全の体勢で臨んでいたわけではなく、自分自身では満足のいくプレーができていなかったという。さらにその胸痛が昨年の6月から激しくなり、トラベラーズ選手権のあと休養。復帰を果たすまでに5カ月を要した。
16年1月のファーマーズインシュランスオープン以来、19カ月ぶりにスポットライトを浴びたスネデカーだが、そのプレースタイルは往時のまま。ドライバーはめちゃくちゃ飛ばすわけではないが、正確無比なアイアンショットでグリーンをとらえ、米ツアーでもトップクラスの技を誇るパッティングで確実にカップに沈めていく。
2014年発売モデルで勝利をつかんだ。(写真:Getty Images)
実にスネデカーらしいと思ってしまうのが、アイアンは2014年発売のJ15CB(ブリヂストンゴルフ)を使っていること。小ぶりの軟鉄鍛造キャビティである同アイアンは、本来アイアンに求められる「狙った距離をいつでも同じように打てる信頼性」と「ミスヒットの際の寛容性」を両立した名器といわれているが、このアイアンを手放さないあたりがショットメーカーであるスネデカーのこだわりといえよう。
またボールは『TOUR B X』をチョイス。飛距離性能とスピン性能を高次元で両立しているだけでなく、“優れた均一性”を誇る同ボールでイメージ通りの球筋でボールを運び、思い通りのスピンでグリーンを狙う。スネデカーのプレーは『TOUR B X』によって組み立てられているといっても過言ではないようだ。
余談だが、スネデカーが愛用しているのは、「Bマークボール」だが、ブリヂストンがこのBマークをつくるきっかけになったのは、スネデカーがこのデザインを「カッコいい」と高く評価したからだとか。
自らのひと言で生まれたボールで復活を果たす。さぞや会心の勝利だったに違いない。
『TOUR B ボール』には「BRIDGESTONE GOLFロゴ」と「Bマークロゴ」の2デザインがあるが、「Bマークロゴ」デザイン誕生のきっかけはスネデカーの発言だった。
もちろんスネデカーほどの選手。この1勝で大いに満足しているわけではない。試合後のコメントでも、「今年一番いいゴルフができている。大きな試合が残っているから、それらにチャレンジできることをとても楽しみにしているよ」と語っていたスネデカー。ウィンダム選手権の勝利でフェデックスポイントランキングも80位から30位へ上げてフェデックスカッププレーオフに挑む。
12年以来のスネデカー旋風が吹き荒れるのか!? 終盤戦の楽しみがまたひとつ増えた。