筆者　「このクラブ、超面白いのはフルショットで打点をトゥ側に外してもドローして戻ってくるんですよ。まさか、これバルジのギア効果ですかね？」

P編　「またバルジの話し？テーラーメイドの【ツイストフェース】で食傷気味だよ、バルジは。どれどれ、トゥ側ね…。！！！確かに、戻ってくる…」

筒　「風じゃないんですか？あらっ、確かに右にすっぽ抜けたと思ったら、ぐりぐいターゲットに戻ってきますね」

P編　「誰だよ、バルジが現代のクラブには必要ないとか言ったのは」

筆者　「あなたです、あ・な・た！」

筒　「う〜ん、コレってでも本当にバルジの効果なのかなぁ。ご存知のとおり、ドライバーからUTまで、ウッドにはバルジとロールが存在しますが、アイアンやウェッジにはバルジは存在しません。古今東西どのメーカーのどのクラブでも、フェース面は平らです。で、今回の『KZG』は一応ウッド型UTとして42度を出しているから、バルジが付いているわけじゃないですか。同じ42度近辺のアイアンやウェッジに、この弾道補正効果を感じるのか？というと、過去に感じたことがないですけど。不思議だなぁ…」

筆者　「なんか、どんなに適当な打ち方をしても、どんなに打点を外しても、不思議なことにターゲット上に打ち出せるんですけど。コレ、とんでもないお助けクラブじゃないですか？ラク過ぎて、使ったら下手になりそう…」

P編　「心配無用、君は既に下手クソだろ。というか、筒さんの見立てがもっともだ。アイアンやウェッジにバルジは存在しない。だが、現実問題、我々はこの42度のウッド型UTにバルジの弾道補正効果を感じてしまっている。これはもしかすると、ボールとの接着時間が長い多ロフトのクラブには、バルジの影響があるのか？と思ってしまう事件だね。どうにかして、ウェッジでバルジを付けたものを試作してみたくなるなぁ、コレは…」

筆者　「村田さん、マジで試作するつもりでしょ、バルジ付きのウェッジ……」

筆者　「筒さん、コレ、フルショットだけじゃなくてコントロールショットも打ちやすいですよ。これだけソールが滑ってくれると、ダフっても大丈夫だし、見た目的にフェースを開きやすいんで、思い通りに距離を落とせます。振り幅を肩ぐらいにしてポーンとヘッドを落とすだけで、100ヤード。50ヤードのアプローチをウェッジで打つときのイメージで80ヤード。ターゲットライン上をまったく外さずに打てます」

筒　「長岡さん、さっき下手になるとか言ってましたけど、その距離の打ち分け方、めちゃくちゃ“感じ”出てますよ。むしろ、上手くなってるじゃないですか！体型など見た目にはブサイクですが、“感じ”は出てます」

筆者　「えっ、そう？というか、コレ、フルショットで160ヤードくらい飛ぶし、アプローチまで1本で対応できてしまうので、河川敷とかショートコースとか、パターとコレだけでラウンドできますよ。絶対OBしないから、崖越えショットがないコースだったら、コレとパターだけで100を切れそう。だって、フルショットからコントロールショット、アプローチと五刀流以上の使用用途を1本で兼ねますよ？」

P編　「ケッ！なんだよ、さっきはアプローチの見た目が気持ち悪いとか文句ばっかり言ってたくせに。筒さんに褒められた途端に調子に乗ったじゃないか。ゲンキンなやつだ、まったく」

筆者　「村田さん、村田さんもこのクラブ1本の方がスコア良くなるんじゃないですか？だって、村田さんと言えば、アプローチイップス。アプローチイップスと言えば村田さん。ウェッジを使うと二度打ち魔神なんですから、弾きのいいこの『KZG』なら二度打ちも出ませんしね！」

P編　「グキキキ……。二度打ち魔神だと？この野郎！人の気にしていることをバラすんじゃない！！！」

筒　「まぁまぁ。落ち着いて」

筆者　「さっき人格攻撃されたんで、倍返しです！」

筒　「……。（ボクのときはビール瓶なのに、村田さんには甘い…）」


Text/Mikiro Nagaoka