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「ツイストフェースは革新。きっと競合他社が追随するものになる」〜テーラーメイド プレジデント&CEO デイビッド・エイブルス氏 インタビュー

1月16日(火)、テーラーメイドゴルフ新商品記者発表会が都内で開催され、『M3シリーズ&M4シリーズ』が正式にリリース。本国のテーラーメイド ゴルフ カンパニーのトップであるデイビッド・エイブルス氏が来日し、メディアとコミュニケーションを図るなど、大々的な発表となった。ALBA.Netではエイブルス氏に『2017年のテーラーメイド、そして2018年のテーラーメイド』というテーマで話を聞いた。

配信日時:2018年1月18日 08時00分

テーラーメイド『M3&M4』の発表会に登壇したデイビッド・エイブルス氏(テーラーメイド ゴルフ カンパニー プレジデント兼CEO)
テーラーメイド『M3&M4』の発表会に登壇したデイビッド・エイブルス氏(テーラーメイド ゴルフ カンパニー プレジデント兼CEO)
---Q.まず、テーラーメイドにとって、2017年はどのような年でしたか?

テーラーメイドにとって、2017年は非常に好調な年になりました。世界中のリージョン(地域)で成長を見せております。アメリカ、カナダ、イギリスでも成長しましたし、重要な市場である日本を含めたアジア地域でも同様です。私たちが誇りに思っているのは、すべてのプロダクトカテゴリーにおいて競争力が増しているということです。

M1、M2シリーズに加えて、アイアンではP790、そして世界中のツアーでスパイダーツアーパターがNO.1になりました。加えて、我々は"ハイパーグロース"と呼んでいますが、ボールビジネスで大きな成長を遂げたと思っています。5層構造のTP5、TP5xはローリー・マキロイやダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ、ジョン・ラームが使用するプレミアムなボールですから。

2017年のプロダクト、契約プレーヤーの活躍には非常に満足しております。

---Q.テーラーメイド=メタルウッドというイメージは強い。PGAツアープレーヤーの多くは"テーラーメイドウッドが飛ぶ"と理解した上で選んでいると思いますが、2017年のアマチュア市場ではキャロウェイのドライバーが躍進しました。その部分を考察すると?

ゴルフ市場は競争が厳しいマーケットです。競合メーカーのパフォーマンスについてのコメントは差し控えさせて頂きますが、我々がなすべきことは、テーラーメイドをパフォーマンスの高い"スペシャルなブランド"にすること。

それを踏まえて、質問にお答えすると…、テーラーメイドは1979年に創業し、最初のプロダクトはメタルウッドでした。それから39年が経過し、メタルウッドと言えばテーラーメイドといったイメージを定着するに至りました。ただ、すべてのカテゴリーでリーダーのポジションを獲るということは、今後の我々のテクノロジーにかかっているということです。

---Q.テーラーメイドと言えば、「革新的」な印象が浸透していますが、今後のブランド戦略のイメージは?

そのイメージをもっと高めていきたいと感じています。革新的なプロダクトはテーラーメイドのコアとなる部分。「革新」という言葉だけを語っている企業もありますが、我々は新しいテクノロジーを持ち込み、ゴルフという競技を変えていく意志を持っています。

これまでマーケットに多くの革新的なテクノロジーを投入してきました。最初のメタルウッドを作ったのもテーラーメイド。可変式ウエイトや調整機能…複合素材を持ち込んだのも我々です。

競合他社は、それに追随をしようとしていますが、(我々のように)「革新」を会社のコアに据えて進めていくことは最も難しい道です。新しいプロダクトは"過去のものよりも素晴らしい"ことにコミットしなければなりません。実現するためには才能のあるエンジニア、クリエーター、そして投資も必要です。

ただ「革新したい!」と叫ぶだけなく、我々はそれを実現するためのプロセスをつねに辿っていきたいと考えています。

イノベーションとはマインドセット…考え方や態度の問題だと思っています。"マーケティングのためのロゴ"として使うような言葉ではありません。
M3ドライバー(左)とM4ドライバー。M4はダスティン・ジョンソンの活躍で発表前からすでに話題に

M3ドライバー(左)とM4ドライバー。M4はダスティン・ジョンソンの活躍で発表前からすでに話題に

---Q.そのテーラーメイドとしての考え方を踏まえた上で『M3&M4』は?

2018年はテーラーメイドの歴史においても、ワクワクするような1年になると信じています。我々は"ツイストフェース"という新しいテクノロジーを搭載した『M3&M4』を投入しました。

"ツイストフェース"の採用には5年の歳月がかかりました。50万発ものドライバーショットのデータをもとに、リサーチを重ねた。我々の挑戦は、ドライバーの芯に当たらなかった状況を、どうやってカバーするか…でした。

長年、バルジ&ロールで解決されようとしてきましたが、ロボットテストであれば、解決を導き出せるかもしれませんが、実際のゴルファーはロボットではありません。

我々のリサーチでは、ゴルファーのミスヒットはローヒールかハイトゥであることがわかりました。2018年からは、テーラーメイドでは、従来のバルジ&ロールでの概念に基づいたアプローチから、"ツイストフェース"というアプローチに移行しています。
「ツイストフェースは競合他社が追随するものになる革新的なテクノロジー」とエイブルスは語る

「ツイストフェースは競合他社が追随するものになる革新的なテクノロジー」とエイブルスは語る

ローヒールやハイトゥでボールを打ったケースでもボールがストレートに飛ぶ…"ツイストフェース"の考え方はシンプルです。またドライバーヘッドには、ソールに"ハンマーヘッド"というボールスピードを速めるためのテクノロジーも備えています。"ツイストフェースとハンマーヘッド"。2つのテクノロジーにより、ストレートに飛び、飛距離を生み出すことができます。

先程、イノベーションという言葉に触れましたが、テーラーメイドという会社は『M3&M4』が投入された時点から、また考え方を進化させます。従来のバルジ&ロールの概念でアプローチをしている会社が、時代遅れになっていくのでは…と思いますね。

---Q.今後テーラーメイドのすべてのモデルに"ツイストフェース"が継承されると?

今後は、何年も"ツイストフェース"を新しいモデルに搭載したい、というのが我々の計画です。これは競合他社が追随するような革新的なテクノロジーだと信じています。
「我々のゴールは、インパクトのあるプロダクトで消費者とつねに繋がっていくこと」と信念を語った

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---Q.現在、ゴルフ人口、市場規模は縮小傾向にあります。ビジネス面では当然シェア競争は起こりますが、すべてのメーカーが、ゴルフクラブの価値を高める志を掲げなければならないと思います。リーディングカンパニーのトップとして、今後の市場の展望と、ギアを送り出す立場としての考え方をお聞かせください

私は、ゴルフが世界で一番素晴らしいゲームだと思っています。スキルを得るための鍛錬が必要で、名誉あるスポーツである。そしてプレーをしていて、非常に楽しいものです。

過去数年間、ゴルフマーケットは縮小傾向にあります。ただ最近のデータを見ますと、グローバルで安定を感じられる兆候があり、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本で市場を伸ばそうという意識があります。テーラーメイドとしては、長いスパンで市場を眺めても、安定があると考えます。

ただ、業界リーダーの立場として責任を感じるのは、ゴルフというゲームの価値を高めていくことです。一番大切なのは、プロダクトを扱う会社として、ゴルファーの方に、よりゴルフを楽しんで頂くことですね。

テーラーメイドのギアを使用したゴルファーが得た喜びの様子を確認することで、我々の仕事の責任が果たせていると実感することができます。

日本でも(ゴルファーの)高齢化が進んでいますが、若いアスリートゴルファーに我々の新しいテクノロジーを知っていただき、彼らを刺激したいと思っています。

---Q.最後に日本市場に期待することを教えてください

テーラーメイドにとって、日本市場は非常に重要です。トッププレーヤーからエンジョイプレーヤーまで、"ツイストフェース"を体感して欲しいですね。我々のゴールは、インパクトのあるプロダクトで消費者とつねに繋がっていくことです。日本のゴルファーの方にも、テーラーメイドの新モデルでぜひ楽しんで頂けたらと思っております。


発表会レポートはこちら!「テーラーメイドの新作発表。『M4』&『M3』の【ツイストフェース】に震えが止まらない」
デイビッド・エイブルス(テーラーメイド ゴルフ カンパニー プレジデント兼CEO)プロフィール/ゴルフギア&アパレルメーカーとして世界をリードするテーラーメイド ゴルフ カンパニーのプレジデント兼CEOを務め、テーラーメイドの全ビジネスを統括。過去にテーラーメイドで12年の勤務経験を持ち、2015年2月にプレジデントとして復帰し、2015年3月よりCEOを兼務し、現職。

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