日本のゴルフメーカーの今後の見通しは?
その答えには、北米中心の視点が加味されている。ヨネックス、ヤマハ、VEGA(ベガ)、フォーティーン、オノフ、PRGR(プロギア)、そして本間ゴルフといったブランドは、アメリカ市場からほぼ消えてしまったが、かといって完全に無くなったわけではない。
とはいえ、彼らの未来は、良く見積もったとしても見通しは暗そうだ…。
だが、まだ可能性はあるかもしれない。しかし、そのためには大切なポイントを2つ抑えておく必要がある。
まずは、日本国内市場の典型的な消費者について考えること。次に、この10年で世界のゴルフ用品市場がどのように変化したのか、そしてそれが日本メーカーにとって今後どんな意味を持つのか評価する必要がある。
かつて日本のゴルフクラブは、高性能・高品質において業界トップに君臨していた。日本の技術力は他国ブランドを圧倒していたのだ。
しかし、今では世界もそれに追いつき、かつて日本が先行していた“レース”は、今じゃ良く言っても“つばぜり合い”といった感じ。
悪く言えば、優れた職人技と細部へのこだわりは、ごく一部の上級者にしか合わないように設計されていたアイアンとウェッジのカテゴリーに特化することでかろうじてその存在意義を保っている。
とは言え、誤解してほしくないのは、これは日本のゴルフクラブが後退したのではない。むしろ、世界が進歩し続けているのだ。
日本メーカーの素材や製造工程、公差が劣化したということでもない。実際優れていることに違いはない。しかし、これらのことが日本メーカー以外にも当てはまるようになってきたということだ。
デザイン面で言うと、日本メーカーのクラブは完璧に見えて流行るように作られている。早い話が、美しく、独特の味わいと奥深さがある。
しかし、技術的に最高の機能を発揮させるかを追求するソフト技術が駆使されるようになればなるほど、日本は競争力を失っている。
果たして日本メーカーには、世界に追いつこうという意欲や計画があるのだろうか?