ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

プロもアマも大本命!1月19日発売、王者のアイアン『i230』はいったい何十勝してしまうのか?

名器『i210』で飛躍した渋野日向子や金谷拓実が即スイッチの『i230』は何が進化したのか? アマチュアにとって「一生モノ」となる可能性は!?(GettyImages、佐々木啓、村上航)

配信日時:2023年1月6日 08時00分

『i210』育ちのシブコと金谷拓実が変更

2017年の『i200』に始まり、その後継『i210』も70勝近く。まさに、王者のアイアンで金谷拓実も渋野日向子も全ての勝利を挙げています

2017年の『i200』に始まり、その後継『i210』も70勝近く。まさに、王者のアイアンで金谷拓実も渋野日向子も全ての勝利を挙げています

PING『i210』アイアンを“名器”と言い切って、異論を唱える人がどれだけいるだろう。2018年9月の発売から実に4年以上店頭に並んでいた、世界ツアー約70勝のまさに「王者のアイアン」である。その前作『i200』(2017年3月発売)は、2017年の男女国内ツアー賞金王が2人とも使っていたことで話題となった。

何が言いたいかと言えば、『i200』の後継機種は、歴代【王者のアイアンを引き継ぐ】こと。そして、4年もの販売期間が名器の証明だと言える。なぜなら、PINGは【前作を性能で越えなければ、絶対に新作を発売できない】十字架を自ら背負うメーカー。『i210』のカベはそれほどまでに高かった。
1月19日発売の『i230』は、上の7番アイアンのサイズはさほど変わりませんが、ロング番手が小ぶりに

1月19日発売の『i230』は、上の7番アイアンのサイズはさほど変わりませんが、ロング番手が小ぶりに

これは『i210』を使用中の読者も実感していることだろう。一度使うと、やめられない。筆者の友人のアイアンマニアなど、他社の新作アイアン十数セット買い足したものの、「結局、ミスしても大丈夫なi210に戻ってしまう」と、傷だらけの愛機を手にいつもボヤいている。

何しろ丁度いいサイズでシャープな顔でミス許容の高いものは唯一無二。中級者から競技志向者を中心に長らく人気を博してきたが、これはプロにも同じことが当てはまる。未だ『i210』を替えられない選手が多い中、日本の次世代を担う、渋野日向子と金谷拓実が今年動いた。長年使う『i210』から後継『i230』へシーズン途中で変更していた。

金谷も渋野も、名器『i210』で飛躍したと言って過言ではない選手だろう。初優勝ふくめ勝利を重ねたのは全部この名器を使用した結果。その距離感から弾道ふくめ、自身の絶対的な基準として体の一部のように信頼できる存在だったはず。それを即スイッチできるとはどういうことなのか?

共通意見は「ラフからのスピン性能」

今年8月に『i230』を投入初日に5Iでプロ入り初ホールインワンを決めた金谷拓実

今年8月に『i230』を投入初日に5Iでプロ入り初ホールインワンを決めた金谷拓実

まずは、8月に投入するなり初日に5Iでプロ初ホールインワンを記録した、金谷拓実の“変更理由”を聞いてみよう。▶▶▶新アイアンでプロ初ホールインワン達成 金谷拓実が恩返しの首位発進 

「見た目がシャープになって、そのぶん操作性も増しています。(ロング番手が)小ぶりになって難しくなったのかなと感じるけど、実際に打ってみるとしっかり高さも出るし、そういうやさしさも残っているクラブ。溝、スピン性能についても、ラフからスピンがしっかり入りますね。アイアンはタテの距離感が大事で、『i230』なら、そこがしっかりできる。今までより簡単にピンを狙うことができます。iシリーズの一番の良さはやさしさ。自分がストレスなく振れる『i230』アイアンだと、自分の理想の弾道を描くことができ、良い球が一番出るクラブ。そこが一番いいところだと思います」(金谷拓実)
今年9月に飛躍した『i210』から『i230』へとヘッドを変更した渋野日向子

今年9月に飛躍した『i210』から『i230』へとヘッドを変更した渋野日向子

約4年ぶりに『i230』へスイッチした渋野日向子の“変更理由”が下記だ。▶▶▶渋野日向子“日本に近い”コースで新アイアンが生きる

「球上がるし、スピンもしっかり入るし、飛距離も出るし、とにかくヤバかったです。柔らかい打感もより私好みになった。ラフからでもヘッドの抜けが全然違いますね。スピンもしっかり入っているような球。すごく全体的に仕上がりが良いなって思いました。こんなラフでも抜けが良くて飛距離も出る、だからティショットも自信を持ってしっかりと振り抜ける。パー3でピンを狙う時でも、ピンデッドに狙って行けますね」(渋野日向子)

佐久間朱莉も「溝が増えて高さが出る」

ツアールーキーながら、見事にメルセデスランク33位に入った佐久間朱莉も『i230』に10月にスイッチ。番手別に+4〜5本溝が増えたスピン性能の恩恵を感じ取っていた

ツアールーキーながら、見事にメルセデスランク33位に入った佐久間朱莉も『i230』に10月にスイッチ。番手別に+4〜5本溝が増えたスピン性能の恩恵を感じ取っていた

今年シードを獲得した若手のホープ佐久間朱莉も、2人と同様に「番手別に溝(スコアライン)が増えたこと」を歓迎していた。

溝の数が増えて高さも出やすくなって良くないライでも、しっかりとピンを狙って行けるクラブ。顔については構えた時、違和感があったら打ちにくい。クラブを選ぶときは顔に注目しますね。『i230』はコンパクトだけど構えやすいので、構えた時に自信が出てきます」(佐久間朱莉)

背景に「3つのテクノロジーの進化がある」とPINGは言い、選手たちが口々に語る「i210よりスピン量がアップした」理由についてこう説明する。

「ラフからでも飛距離コントロールに優れる理由は【マイクロマックス・グルーヴ】を搭載したことにあります。各溝の角度と間隔を最適化して、従来よりも溝を5本も増やし、あらゆるシチュエーションで求められる摩擦力とスピン量を実現しています。そのため、朝露や雨で濡れた状態でも飛距離コントロール性能と再現性が向上するため、よりピンを狙いやすくなります」(同社)

「エラストマー・インサート」で打感も◎

左上の『i210』に対し、トウ側下部にウェイトが入りMOIがアップ。バックフェースにもCTPエラストマー・インサートが全面に入って左右上下に外しても手が痺れません!

左上の『i210』に対し、トウ側下部にウェイトが入りMOIがアップ。バックフェースにもCTPエラストマー・インサートが全面に入って左右上下に外しても手が痺れません!

また、渋野が打感の向上を挙げ、金谷はやさしさを強調したが、そこには別の2つのテクノロジーが寄与していた。

「バックフェース全面に番手ごとに設計した【CTPエラストマー・インサート】を搭載した新構造になり、ミスヒット時でも心地良い打感と打球音を生み出せます。しかも、余剰重量を最適な場所に配置することで、前作よりも低重心で高MOIとなり、さらにブレないヘッドに進化させることができました。トウ側の下部にも【高比重ウェイト】を搭載することで寛容性がアップし、究極の重量周辺配分でミスヒットでもブレが少なくなります」(同)

MOIは「+3%」とのことだが、『i210』の完成度を知る者にとって、これは驚愕の数字だ。筆者にはある記憶が蘇る。他メーカー契約の某男子レジェンド選手が『i210』をお忍びで試して開発者に「これと同じくらいやさしいモノがなぜ作れないのか?」と、要望・議論していた。

他メーカーの場合、男子プロは打感などフィードバックから軟鉄鍛造の選択肢しかないが、それでは重量配分でMOIを上げること限界がある。打感に目をつぶることは難しいため、どうしてもMOIは犠牲にならざるを得ないのだ。が、『i230』はなんとロング番手を小ぶりにしつつも、打感とMOIアップを実現させていた。

フィッティングで『i210』以上の愛機に!

充実のフィッティングを受けて選べば【一生モノのアイアン】になる!?

充実のフィッティングを受けて選べば【一生モノのアイアン】になる!?

ここまでヘッドの進化を見てきたが、同社は「フィッティングして最適なモノを選ぶことで、より長く愛用いただくことができます。特に『GLIDE 4.0』ウェッジでもご案内した通り、方向性を左右するライ角、さらにシャフトの種類、長さグリップの太さを調整することが重要になります」とのこと。

金谷や渋野ほかPING契約プロだけでなく、『i230』アイアンを投入した“契約外”選手がいきなり優勝したことも記憶に新しいが、それもシャフトを含めた精密なフィッティングあってこそ。詳しくは同社のフィッティング・試打会予定ページ(https://clubping.jp/demodays/)を参照してほしいが、『i230』だけでなく、『G430』シリーズの発売もあって、全国で凄まじい人気だ。

いよいよ1月19日に発売を迎える『i230』だが、発売前からトッププロたちが結果を出すなど、その実力は折り紙付き。もっとアイアンで球筋を操作したい人、それでいて、やさしさも欲しい人など、さらなる高みを目指す欲張りなゴルファーに最も恩恵がありそうだ。さらにフィッティングすることで、“終の棲家”いや“終のアイアン”となるに違いない。

Text/Mikiro Nagaoka

読まれています


おすすめコンテンツ

関連サイト