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前代未聞の4連勝、年間女王も決めた!『スリクソンZX Mk II』は何が凄いのか?

2022年の国内女子ツアー後半戦で大きな話題となったのが、ダンロップの最新モデル『スリクソンZX Mk II』ドライバーです。その“連勝養成ギプス”の実力が気になっていた人は必見!

配信日時:2022年11月16日 10時00分

一般アマと同じHSの女子プロが絶好調!

尾関と山下は『ZX7 Mk II』で、勝と小祝は『ZX5 Mk II』で怒涛の4連勝!

尾関と山下は『ZX7 Mk II』で、勝と小祝は『ZX5 Mk II』で怒涛の4連勝!

今年の国内女子ツアーも大きな盛り上がりを見せたが、残りあとわずか。その後半戦で大きな話題となったのが、未発表でツアーデビュー後、前作を上回る飛距離と方向性で発売前にもかかわらず使用した4人のプロで4週連続V という前代未聞の快挙を成し遂げたのが、スリクソンZX Mk II』ドライバーだ。

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また、4連勝後も山下美夢有が好調をキープし、ついに21歳の若さで今季のメルセデス・ランキング1位を確定させ、初の年間女王を『スリクソンZX Mk II』シリーズへ移行して戴冠。快進撃の原動力になったのは“飛距離と方向性の向上”だ。

「球が強いのに曲がり幅が少なく安心して振り抜けます」(ZX7 Mk IIで初Vの尾関彩美悠)「落ち際に強い伸びのある球でキャリーとランが出ます」(ZX7 Mk IIの山下美夢有)「風の影響を受けない強弾道で飛距離が5ヤード伸びました」(ZX5 Mk IIの勝みなみ)「イメージどおりの球で安心してコースを攻められます」(ZX5 Mk IIの小祝さくら)と、優勝した4人は新ドライバーの性能を高く評価している。

何より注目すべきは『スリクソンZX Mk II』が、ヘッドスピードは一般男性アマチュアに近い女子プロたちが結果を出し続けていること。パワーがある男子プロやアスリートゴルファーだけでなく、一般アマチュアにもティショットのアドバンテージをもたらしてくれるクラブということが、すでに証明されているわけだ。

「軟・剛・軟・剛」のフルチタンが驚異の初速を生む!

ところで、前作『スリクソンZX』ドライバーと違って、今作『スリクソンZX Mk II』シリーズは、カーボン複合構造が主流の今、あえてフルチタンを選択。この理由を、開発担当の中村崇さんに聞いた。上記のような軟・剛・軟・剛の【リバウンドフレームMk II】テクノロジーが初速のポイントだと言う。

――ヘッドをフルチタンにするメリットを教えてください。

中村崇さん(以下、中村) カーボン複合構造は、パーツの軽量化によって余剰重量を生み出し、重心を最適な位置に設定することでスピンを減らしたり、慣性モーメントを高めるのが狙いです。そんな中、私たちが注目したのはボールスピード。初速を上げて飛距離を伸ばすには、複合構造よりもフルチタンの方が適していることが分かったからです。
石井良介の新旧試打テストでも、初速の違いが明らかに!

石井良介の新旧試打テストでも、初速の違いが明らかに!

――なぜフルチタンの方が初速は上がるのですか?

中村 ボール初速は、インパクトでボールがつぶれてから復元するスピードと、フェースのたわみ戻りのスピードが一致したときに最も上がることが分かっています。そのためには、フェースをたわませるだけではなく、ボディにもたわむポイントを作って、ヘッド全体をたわませる必要があります。そこで今回採用したのが【リバウンドフレームMk II】テクノロジーです。

――ミルフィーユのような「軟剛軟剛」のヘッドのことですね。

中村 フェースだけのたわみには限界があり、ボールが復元するスピードに追い付くのは難しい。でも、フェースの後方に「軟」の部分を作り、ヘッド全体をたわませることで、ボールを包み込むようにフェースがさらに大きくたわみます。しかし、クラウンをカーボンにするとチタンとの接合部分に厚みが出て、理想とするたわみを生み出すことができないのです。

――それがカーボンを採用しなかった理由なのですね!

松山英樹「フェースに乗せて押せる」

松山英樹は低スピンな『ZX5 Mk II LS』を選択した(GettyImages)

松山英樹は低スピンな『ZX5 Mk II LS』を選択した(GettyImages)

中村 実は、全く同じ形状でフルチタンのヘッドとカーボン複合のヘッドを作って松山英樹選手に打ってもらったところ、フルチタンのほうが明らかに飛距離が出ました。しかも、松山選手からは「ボールがフェースに乗って押せる感覚がある」と、フィーリング面でのプラス意見も聞けました。

――フルチタンによる設計面でのデメリットはありませんか?

中村 チタンはカーボンよりも薄く作ることができるので、クラウンの重さは0.4gしか変わらないんです。重心の高さもわずか0.4mmの違いなので、設計自由度に関するデメリットはほとんどありません。

――それよりも初速が上がるメリットの方が大きい?

中村 低スピンで飛ばそうとするとHSが遅い人は球が浮かずキャリーが出ない場合があり、方向性にも問題が出てきます。しかし、初速アップはHSに関係なく、誰にでも好結果をもたらしてくれることは女子プロの活躍を見ても明らかですので、ぜひ一般アマチュアの方にも『スリクソンZX Mk II』の飛びを体感していただきたいですね。

シリーズ3機種を石井良介が試打解説!

スリクソン ZX Mk II』ドライバーには上記の3機種がラインナップ。それぞれどんなクラブで、どんなゴルファーに合うか?を石井良介が検証すると、3機種ともつかまりが良く、幅広いゴルファーが安定して飛ばせるクラブと分かった。

スリクソン ZX Mk IIシリーズに共通するのは、抜群の安定感とつかまりのよさ寛容性が高い『5』はもちろん、ロースピンの『5 LS』アスリート向きの『7』もつかまりのいいストレートボールで、安定してフェアウェイを捉えることができます。3本とも球筋はほぼ同じなので、球の高さと弾道の強さで選びたいです。スリクソンらしいバランスの取れた形状で、構えやすさと振りやすさも◎。前作を使っていた人はすぐ替えられますし、アスリートライクなクラブで飛ばしたいアベレージにもお勧めです。

また、前作から大きく変わったのが打感と打球音。前作がパキーンという高い打球音で球離れが早く感じたのに対し、新モデルは静かな打球音でボールがフェースに乗る感覚があります。これは非常に好印象で、風やコースの状況でボールを押し込んだり、カットに打ったりと微妙な調整ができますし、インパクトのタイミングやフェースの向きがわずかにズレても修正できるので、上級者にとっても大きな進化です」(石井)
見た目はアスリート向けなため「自分に打てるか?」と尻込みする人がいるかもしれないが、純正シャフトの『Diamana ZX-II』シリーズは安定感とスピード感をバランス良く備えたシャフト。「ヘッドの動きを操作しながら中間から先端が走る感覚があってHSとつかまりがアップする」と石井も太鼓判だ。

『ZX Mk II』と『ZX Mk II LS』には50g台のR、SR、Sが用意されており、小ぶりで叩ける『ZX7 Mk II』には60g台のSRとSがある。その他、カスタムシャフトを含めて、自分に最適なドライバーを選んでほしい。

文/苔縄和裕
撮影/相田克己、山代厚男、GettyImages
取材協力/湘南カントリークラブ、藤沢ジャンボゴルフ

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