コスト度外視、前例無視のドリームモデル?
そんなメガヒット作の名はそのままに、装いを変え “スーパープレミアム”モデルに生まれ変わったというが、いったい何が“スーパープレミアム”なのか。答えは、キャロウェイが現在持つ最新・最高のテクノロジーと、最大性能を引き出すために、ハイグレードな最高素材を潤沢に使ったこと。
そこで、クラブ史を長く見てきたQPさんこと関雅史プロにチェックしてもらうことに。キャロウェイが『GBB EPIC STAR』アイアンを出した時、開発者たちに「コスト度外視で最高の性能を持つドリームモデルを作れ!」と命じたのが2017年。あれから5年を経た新たなるドリームモデルの性能とは?
QP 「こんなに重心が深いアイアン初めて!」
「このサイズ感と顔で、こんなに重心が深い感じのアイアンは初めて!低重心っていうか、UTみたいに深重心な感じがするものは初めてですよ。箱型というか、超デカヘッドアイアンなら分かるけど、この綺麗なアイアン形状をキープしながら、UTみたいで凄いよね!
こう、ロフトを立てる動きにならないもん。ほら、プロは球を上げたい時にアッパー目に打ったりしやすいからバンスがない感じのものを求めたりもするけど、アマチュアはそうじゃない人が大半だから、どう考えても上げやすい機能が付いてることはいいよね!」
QPさんが打った試打スペックはスチールシャフト『N.S.950GH neo』(S)で、キャリー161ヤードが4球中3球というタテ距離の揃い方。他に軽量42gのカーボンシャフト『SPEEDER NX for Callaway』(R)も用意されているが、振れる人にはこの選択肢が良さそうだ。
自分のアイアンとも比較したんだけど、飛びも打ち出しも全然違う……。(泣笑)アマチュアでも特にスライサーの人は上から打ち込んじゃって、ロフトが立って当たるから球が低くなるけど深い重心で球を上げてくれるよね。打感もチタンフェースだけど音も低めだし、ソフトで気持ちいいよ」
前作のドリームモデル『GBB EPIC STAR』が前へ前へ飛んだのに対し、今作のドリームモデル『グレートビッグバーサ』は、上へ上へと飛んでいき、ほぼ同じ位置に上空から球を止めるという “アイアンのあるべき姿”へと進化を遂げていたのだった。
QP 「UTも飛ぶねぇ〜。弾きがめちゃイイ」
アイアンは最大145gものタングステンを配置していたが、UTも同様に約100gもの余剰重量を作ることに成功し、78gものタングステンを最適配置。超低重心な上、最新テクノロジーが全部入りだ。
でも、ボクにはシャフトが少ししなっちゃうなぁ〜〜。あれっ、でも距離落ちないね!かなり薄いミスヒットだったのにキャリー202ヤード。アイアンと同じでやっぱりタテ距離が狂わない。ミスした時の落ち幅が今まで感じたことないくらい広い感じがするね」
アイアン同様、タテ距離だけでなく左右の分散も少ない結果だったが、「どうしても軽くてしなるから、決してボクには打ちやすいシャフトじゃない」と正直に話すQPさん。それでもこの揃い方なのは、破格に余剰重量を増したヘッドの強さを示している。
面長なフェースで左右のミスヒットにも強いし、やっぱりキャロウェイのUTはフェースのフトコロ部分がうまく作ってあるから、アイアンとのつながりが良くなるよ。このモデルじゃないキャロウェイのアイアンを使っている人にも使いやすいと思うけど、やっぱりシリーズで揃えると良さそうですね」
と、ここまでアイアンとユーティリティを見てきたが、長くなってきたのでドライバー、フェアウェイウッドは近日中に後編でお伝えする。(数量限定のシリーズにて、それまでに売り切れてしまうかが心配だが……)
Text/Mikiro Nagaoka