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ボール契約フリーの金田久美子が『TOUR B XS』ボールで11年ぶりの勝利

11年189日ぶりの優勝を果たした金田久美子。ギアに無頓着な天才少女だった金田が、契約フリーで自分に合ったギアを選ぶ大人のツアープロとして挙げた、ツアー2勝目だった。<br><br>text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2022年11月4日 16時00分

2勝目が決まった瞬間。涙がこらえきれなかった(撮影・GettyImages)
2勝目が決まった瞬間。涙がこらえきれなかった(撮影・GettyImages)

幼少期から有名なゴルフの天才少女

JLPGAツアーの終盤戦、「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」で金田久美子がツアー2勝目を挙げた。1988年のツアー制度施行後では最長のブランク優勝となる、11年189日ぶりの勝利だった。

筆者のような20年を超えるゴルフファンにとって、金田はとても記憶に残る選手だ。幼少期からゴルフの天才少女として有名で、多くのメディアに取り上げられていた。当時から実力はたしかなもので、タイガー・ウッズと並ぶ8歳での世界ジュニア優勝(女子10歳以下の部)の最年少記録をあげ、最終的に同大会を4勝した。

中学生になってからは、レギュラーツアーに参戦して、ゆうゆうと予選を通過していた。14歳で出場した2004年の「ゴルフ5レディス」は、優勝争いの末に3位タイでローアマを獲得。線は細かったが、とにかくアプローチとパッティングが天才的で、それも生半可な天才ではなかった。以降もプロの試合で何度もベスト10に入り、誰もがその才能に驚き、輝かしい未来を予感していたものだ。

21歳のときに、「フジサンケイレディス」で初優勝。金田の天才ぶりから考えると、その優勝は遅いくらいに感じられた。それから何勝も積み重ねていく選手になるだろうと思われていた。

ところが、20代の金田は、腰や手首など様々な故障に苦しめられた。そして、天才すぎるがゆえに、すべて感覚でプレーが出来ていたものが、徐々にその歯車が噛み合わなくなっていった。もともとジュニアから形作ってきた個性的なスイングであり、それらを修正するのにも多くの時間を要した。
思うようにプレーできない、つらい時代が長く続いた(写真は2019年デサントレディース東海クラシック、撮影・GettyImages)

思うようにプレーできない、つらい時代が長く続いた(写真は2019年デサントレディース東海クラシック、撮影・GettyImages)

一時は、ドライバーは飛ばなくなり、ショットは曲がり、短いパッティングも入らなくなってしまったという。何も考えなくても自然と出来ていたことが、大人になって出来なくなるという苦しみは、我々のような凡人にはなかなか想像できないが、そのショックが大きなことは分かる。2016年以降は、5年に渡ってシードを落としており、近年の若手の著しい台頭と相まって、ツアープロとしては厳しい状況に追い込まれていた。

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