注目ポイント
『JPX 923 アイアン』は、今回のモデルチェンジで、5機種が出ます。『JPX 923 HOT METAL アイアン』、『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』、『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』、『JPX 923 FORGED アイアン』、『JPX 923 TOUR アイアン』です。
『JPX』は海外メジャーにも優勝したアイアンで、2021年から2022年国内ツアーで14勝という強烈な実績を残しているブランドです。新しいモデルにも期待が高まり、5機種の内、実質的に3モデルはプロや上級者の使用を前提としています。
『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』は、5機種の中でも、突出してやさしいアイアンになります。とはいえ、全ゴルファーの半分以上が対象になるアイアンです。
テクノロジーは最先端です。
まずは、ヘッドの素材です。現在のアイアンの主流になりつつある素材の「クロムモリブデン鋼」よりも強度が約35%も増した「ニッケルクロムモリブデン鋼」でヘッドが作られています。航空機で消耗が激しい重要部分に使用されている素材です。素材の強度が増すほどフェースなどを薄くすることが可能で、高反発性能の向上が見込めるだけではなく、ヘッドの重量配分の最適化にも貢献します。
続いて、バックフェースのトウ側が“V字”になっている「Vシャーシ」です。周辺重量配分の最適化とセンター重心にしやすい構造になり、打感も良く出来るそうです。
新素材でフェースだけではなく、ヘッド全てを作り込んだことで「シームレスカップフェース構造」が可能になりました。フェース裏の空間も、ソール貫通でで穴を空けて作っています。ソールのギリギリまで空間にすることができました(5番〜8番)。
興味深いのは、ロフト設定です。
いわゆる飛び系アイアンと同じで、クラシックなアイアンのロフトと比較すると1番手アップになっています。これには戸惑いました。正直な話、1番手アップのロフトは、2022年の市場では、標準ロフトに限りなく近く、飛ぶ飛ばないという視点で考えると、普通になってしまうからです。
この数年のヒットするアイアンは、やさしい+飛距離が出るという方程式が成り立つものばかりです。『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』は、どうなっているのか? と考えてしまったのです。
とはいえ、きめ細かく作り込まれていることもわかります。ショートアイアンを今まで以上にシャープに作り込んで、オマケではない「GW」「SW」もオプションで用意されているところです。
『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』が、高い球を打つことに特化しているのは、純正シャフトがカーボンのRフレックス一択という潔さにも理解できます。
試打した日は、曇りで、気温は20度〜26度。微風でした。使用したボールは『TOUR B X』です。
どんなアイアンなのだろうか? と疑問を抱きながら、『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』を試打をしました。