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使わなきゃ損! シャフトレンタルで『VANQUISH』をテストしてみた

コロナ禍になり、練習場での大規模な試打会などが自粛される中、人気を博しているのがシャフトのレンタルサービスだ。特に、三菱ケミカルが展開するレンタルサービスは、送料のみの負担で話題の最新シャフトのさまざまなスペックが借りられると話題になっている。そこで、元ALBA編集部員でゴルフライターの田辺直喜が、三菱ケミカルのレンタルサービスを利用して、今、気になっているというシャフトを試してみた。 <br><br> 取材協力/インドアゴルフレンジKz亀戸店 写真、文/田辺直喜

配信日時:2022年7月21日 17時00分

発表されたばかりの三菱ケミカル『VANQUISH』を『ステルスプラス』と共にレンタル!
発表されたばかりの三菱ケミカル『VANQUISH』を『ステルスプラス』と共にレンタル!

自分の好きなタイミング、場所で気になるシャフトがテストできる

ゴルフにおいて、シャフトは非常に大事なパーツです。どんなに性能の良いヘッドであっても、シャフト次第で振り心地や飛距離に大きな違いが出るからです。それだけにプロや上級者ほど、常に最良のシャフトを探していますし、もし自分に合う最高の1本を見つけたなら、それを使い続けます。

とはいえ、市場には膨大な数のモデル、スペックのシャフトが存在します。そんな中から、自分に合うモノを見つけるのは容易ではありません。特に昨今は、新型コロナの影響もあり、練習場などで定期的に開催されていたメーカー主催の試打会も中止になることが増え、シャフトを試す機会そのものが減っています

そこで注目したいのが、シャフトのレンタルサービスです。

例えば、三菱ケミカルが展開しているシャフトのレンタルサービスでは、シャフトのみなら最大4本を送料のみの負担で3泊4日借りることが可能。普段練習している環境で最新シャフトを試すことができ、ゴルフショップや試打会で打つのに比べて、長い時間をかけてじっくり試すことができます。借りるタイミングによっては、コースで実際に打つこともできるでしょう。さまざまな面でメリットのあるサービスなのです。

今回は、三菱ケミカルのシャフトレンタルサービスを実際に利用して、今、気になっているシャフトを借りてみることにしました。サービスの使い勝手やシャフトのインプレッションを紹介します。

借りるのは元・賞金王2人が選んだ超精密軽量シャフト

クラブに強いこだわりを持つ藤田寛之プロが「飛ぶ」と絶賛する『VANQUISH』。どんな性能を持ったシャフトなのか気になるところだ

クラブに強いこだわりを持つ藤田寛之プロが「飛ぶ」と絶賛する『VANQUISH』。どんな性能を持ったシャフトなのか気になるところだ

まず、私が今、気になっているシャフトについて簡単に紹介していきましょう。そのモデルはずばり三菱ケミカルが発表した全く新しいブランド『VANQUISH(ヴァンキッシュ)』です。

つい最近、情報がリリースされたばかりのモデルですが、すでに国内男子ツアーで片山晋呉プロや藤田寛之プロが実践投入しているシャフトになります。中でも藤田プロは、『VANQUISH』の5TXを投入して臨んだ国内シニアツアー「スターツシニアゴルフトーナメント」でシニア初優勝を挙げました。

大会後のインタビューで『VANQUISH』について、以下のように語っています。

「あのシャフトは、全体の粘りと速く動こうとする部分があって、そのタイミングが合うと、スピードがバーンと乗るんですよ。ちょうどトップスピードに入るところがある。『粘り』と『速さ』の両方でバーンとくる。自分はそれをブーストと呼んでいます。このシャフトは飛ぶし、タイミングも合うし、いいなと思って使い始めました」(藤田プロ)

ものすごく気になるインプレッションですよね? 私自身、最近では練習やラウンド機会が減っていることもあり、飛距離の落ちが気になっています。もし、シャフトの性能で飛距離を伸ばせるなら、使わない手はありませんから、ずっと『VANQUISH』が気になっていたわけです。

とはいえ、今まで使ったことのない軽量シャフトにいきなり交換するのはちょっと怖い…ということでレンタルしてみたいと考えたわけです。早速スマホを使って、サービスを利用してみようと思います。

サービスを使うには無料会員登録と身分証明書のアップロードが必要

シャフトレンタルの手続きはスマホだけで簡単に行うことができる。写真は「レンタル専用ページ」のスクリーンショット

シャフトレンタルの手続きはスマホだけで簡単に行うことができる。写真は「レンタル専用ページ」のスクリーンショット

まず、「三菱ケミカル/ALDILA シャフト試打・レンタルサービス」にアクセスします。借りる方法は「電話での申し込み」と「インターネットからの申し込み」の2通りがあるようですが、今回はインターネットから手続きを進めていきます。

「レンタル専用ページ」にアクセスするまず、利用規約への同意を求められます。貸出期間や配送方法、盗難、破損についてなど、さまざまな注意事項が記載されていますので、しっかりチェックした上で「同意する」をクリックします。

続けて、無料の会員登録を行っていきます。

最初に名前や住所、電話番号といったパーソナルなデータやログインに必要なメールアドレス、パスワードを入力していきます。利き手やヘッドスピードといった項目があるのが、シャフトレンタルならではですね。その後は、運転免許証など身分証明書を登録していきます。身分証明書がないとレンタルサービスが利用できないので注意しましょう。
レンタルというサービスの特性上、運転免許証など、身分証明書の提出は必須。スマホの写真撮影で完了するので作業は簡単に終わる

レンタルというサービスの特性上、運転免許証など、身分証明書の提出は必須。スマホの写真撮影で完了するので作業は簡単に終わる

とはいえ、運転免許証をスマホで撮影し、指定されたアドレスにメールするだけで登録が済みますので手続きは非常に簡単です。会員登録が終わったら、メールアドレスとパスワードを入力して、ログインを行い、レンタルするモデルを選択していきます。

今回は『VANQUISH』を借りたいので、メーカーで「三菱ケミカル」を選び、続けてブランドから『VANQUISH』を選択します(種類は特に選択しなくても、候補シャフトが表示されるようです)。

検索結果が表示された画面。その時点でレンタル不可なものには「貸出中」の表示が、レンタル可能なものは「カートに入れる」が押せる

検索結果が表示された画面。その時点でレンタル不可なものには「貸出中」の表示が、レンタル可能なものは「カートに入れる」が押せる

以上の操作で、ページ下部には『VANQUISH』で登録されている40グラム台のR2から50グラム台のTXまで、12種類のスペックが表示されました。すぐにレンタルができないものには「貸出中」の表示がされ、レンタル可能なものは「カートに入れる」が押せるようになっています。

今回はタイミングが良く、『VANQUISH』の“4X”と“5X” をレンタルすることができました。また、レンタルシャフトにはテーラーメイド製のスリーブが装着されているようなので、テーラーメイド『ステルスプラス(9.0度)』も借りることにしました。もし装着されたスリーブに対応したヘッドを持っていなくても、対応した最新ヘッドが一緒に借りられるのは嬉しいですね。

必要なモデルを選択した上で「レジ」に進み、「レンタルお申し込みフォーム」で、お届け先の確認や配達希望時間を行い、最後にクレジットカードの登録をしていきます。初回の利用ではクレジットカード決済とのみとなるようです。

以上で、希望のシャフトとヘッドをレンタル手続きは完了です。今回の貸出にかかった費用は「3,190円」。ヘッド付きで最新シャフトを試せると思えば、かなりお得ではないでしょうか。

注文の5日後にシャフトとヘッドが到着!

実際に届いた箱。ロック付きなのでガムテープを使わずに梱包できるのが手軽で嬉しい

実際に届いた箱。ロック付きなのでガムテープを使わずに梱包できるのが手軽で嬉しい

待ちに待った『VANQUISH』と『ステルスプラス』がついに届きました。
印象的な『VANQUISH』のロゴがキラリと光る

印象的な『VANQUISH』のロゴがキラリと光る

ロック付きの箱の中に、マジックテープでシャフト2本(1本にヘッドを装着)され、一緒に返信用の伝票が入った封筒やヘッド交換用のレンチも同梱されています(ちなみにですが、着払いでの返却になるので、ここからの費用は発生しません)。
片方のシャフトにヘッドが装着され、そばには返信用送り状が封筒に入った状態で貼られていた

片方のシャフトにヘッドが装着され、そばには返信用送り状が封筒に入った状態で貼られていた

早速、いつもALBA誌の「新・ギア総研」の取材でお世話になっている「インドアゴルフレンジKz亀戸店」にお邪魔して、シャフトのテストを行うことにしました。振り心地のチェックだけでなく、『フライトスコープ』を用いた弾道データの測定も行っていきます。
プロの愛用者も多い『フライトスコープ』。飛距離のデータはやや辛めだが、それだけにリアルに近いデータが計測できる

プロの愛用者も多い『フライトスコープ』。飛距離のデータはやや辛めだが、それだけにリアルに近いデータが計測できる

やはり、普段自分がボールを打っている環境や機器を用いてシャフトを試せるのは、レンタルサービスならではの大きなメリットですね。

いろいろな意味で常識を覆す軽量シャフト

実際に打ってみると、藤田プロが語っていた“ブースト”の意味がよく分かりました

実際に打ってみると、藤田プロが語っていた“ブースト”の意味がよく分かりました

軽くアップをしてから、『VANQUISH』の4Xを装着した『ステルスプラス』でボールを打っていきます。

1発目からなんとも不思議な感覚になりました。今まで、軽量帯のシャフトというと、Xフレックスであっても、どこか頼りなさを感じて、あまり強く振れなくことが多くありました。しかし、『VANQUISH』はダウンからインパクトにかけての加速感が心地よく、スイングするほど、スピードが増していくような感覚になります。

手元部分がしっかりしていますし、いわゆる先が走るタイプのシャフトに分類されるでしょう。しかし、そういったモデルにありがちなインパクトで当たり負ける頼りなさが全くなく、むしろボールを強く押していく感覚があります。

最初はそのスピード感を上手くコントロールできずにいましたが、だんだんに癖を掴んでくると、しなりによる加速を生かして、どんどんボール初速が上がっていきます。
『VANQUISH』の4Xを装着したクラブでのデータ。ヘッドスピードの伸びだけでなく、1.50を記録した高いミート率が印象的

『VANQUISH』の4Xを装着したクラブでのデータ。ヘッドスピードの伸びだけでなく、1.50を記録した高いミート率が印象的

普段の私は、『フライトスコープ』を使うと、ヘッドスピードが46m/s前後が表示されることが多いですが、『VANQUISH』の4Xでは47.2m/s。しかもミート率1.50でボール初速も70.5m/sまで伸びました。この計測器で70m/sを超えることが久しくありませんでしたから、『VANQUISH』による伸びはかなり驚異的です。

続けて、『VANQUISH』の5Xにシャフトを変更して、テストを行いました。基本的な振り感は4Xと共通しているのですが、重量アップした分、より強くボールを押していけます。結果、スピン量が4Xよりも少なく抑えることができ、ランを入れたトータル飛距離を287.1ヤードまで伸ばすことができました。
叩いていける感覚が強い分、4Xよりも飛距離が伸びた5X。正直なところ、「287.1ヤード」なんて数字はかなり久しぶりでテンションが上がりました

叩いていける感覚が強い分、4Xよりも飛距離が伸びた5X。正直なところ、「287.1ヤード」なんて数字はかなり久しぶりでテンションが上がりました

実際にシャフトを試すと、藤田プロが語っていた “ブースト”という言葉の意味がすごくよく分かりますね。重いシャフトに比べて、より速く振れると言われる軽量シャフトですが、『VANQUISH』の場合は、それだけでなく、シャフトの特性でもヘッドスピードを伸ばすことができるようです。
切り返しでクラブを引っ張るように下ろすと、インパクトでは強烈にヘッドが走ってくれます。普段よりも1m/s以上、スピードが上がる印象でした

切り返しでクラブを引っ張るように下ろすと、インパクトでは強烈にヘッドが走ってくれます。普段よりも1m/s以上、スピードが上がる印象でした

あまりの気持ち良い振り心地に、気付けばかなりの球数を打っていました。試打会のように順番を気にせず、気になったシャフトを集中的にテストできるのは、本気で購入を考えているシャフトほど有効と言えそうですね。

ショップで試打したシャフトを改めて借りるのもアリ

ふと思い立って試してみたシャフトのレンタルサービスですが、想像以上に有意義ですね。

シャフトの印象は、初めて打った時としばらく打ち続けた時で変わりますし、体調によって感じ方が変わる場合もあります。3泊4日あれば、1日じっくり打ってテストすることも、何日かに渡って打つこともできます。

例えば、ゴルフショップや試打会で数球打って良いと感じたシャフトがあれば、改めてレンタルサービスを利用してじっくり試してみるのも良いでしょう。自分に合ったシャフトを見つけるという意味では、使わなきゃ損と言っても過言ではないサービスになっていますね。本当にお手軽に利用できるサービスになっていますので、気になるシャフトがある場合はぜひ、使ってみることをおすすめします。

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