これまでの『RS』への印象は?
「今までの『RS』シリーズの印象は【高初速・広初速】でも、スピン量が多くてつかまり過ぎるモノが多かったですね。いま、巷で外ブラの1Wが人気ですけど【初速】を謳うケースが多い。プロギアさんも【初速】を謳いますけど、テストするボクらからすると、どの社も初速は出る。反発ルールがあるので、そこまで差が出づらくなってる気がします。
今回の『RS JUST』ドライバーには『RS』『RS F』『RSD』の3ラインナップ。『RS』『RS F』の2機種体制だった前作から、どれくらいの進化があるのか、トラックマンとコース試打を噛み合わせることにした。
コース試打で印象激変。『RS』のつかまりが変化!
「顔がだいぶ違って前の『RS』より全然構えやすい。フェースがシルバーからブラックになってトゥの逃し方がすごく自然で、フェース向きを限定される感じがない。前作は角があって少し被って見えたし、つかまり過ぎに対応して開くと少し違和感が出たというか」(同)
顔の印象だけでなく、つかまり特性が大変身だ。
「純正『ディアマナ』がしなってつかまりやすいのは前作も同じ。それだけに、ヘッド挙動の差をすごく感じますね。前作は必要以上につかまってスピン量が多いのが、『RS JUST』だと基本ストレートドローでより低スピンの棒球っぽい。ど真ん中のつかまり具合になったというか、前作の『RS-F』と近いつかまりに感じます」
「見てください。前作のウェイト位置はヘッドの後方のちょい高い位置にあるでしょ? で、『RS JUST』は前作の『RS F』と近い。どちらかというと、『RS D JUST』が前作『RS』と同じウェイト位置じゃないですか。だから、これまでの『RS F』ユーザーが『RS JUST』で、『RS』ユーザーは『RS D JUST』を試打すると違和感がないのかも。全体につかまらない方向に、1個ずつズレた形だと思いますよ」
新『RS F』がぶっ飛び。「このまま使いたいくらいのシャフト」
「やっぱり全然違う。前作の『RS F』よりつかまりが明らかに抑えられて、普通に振ると低スピンのフェードが出やすいね。ウェイトが前作と違ってトゥ側に1つ増えたでしょ? 3gと8gを入れ替えることで、もっと強い球も打てるでしょうね。『RS Fプロトタイプ』っぽいというか、あれよりもっと低スピンな感じ。コレなら飛ばせるよ」
盟友・谷原秀人もLIVゴルフツアー参戦で『RS F JUST』を投入し、「どおりでプロギアと契約するはず」と納得する谷口。また、契約フリー選手たちがこぞってテスト・投入したことにも「より本格派になったから、使うのも納得です」。『RS F JUST』の純正『Tour AD』シャフトもべた褒めしていた。
やっぱりつかまりが減ったことで、スピン量が全体に減って、前に前に球がいく。前作まではつかまり過ぎるから、少し逃してフェースを開いて当てようとしちゃうでしょ。こうなると、どうしても余計なスピンが入って球も弱くなるよね。今回の『RS JUST』シリーズは、全体にそれがないから飛ばせるよ」
「驚初速」はどうか? なんと新『RS F』で2.4m/s増!
そこで、トラックマン計測してみた。ボールは谷口が使い慣れたハード系のツアーボール、ホンマ『TW-X』で新旧『RS』全5機種のナイスショットデータが上記だ。ご覧のように、振りやすいシャフトで出力も技術も揃う『RS F JUST』は、なんと前作『RS F』より2.4m/sも初速アップ。着弾地点にボールを拾いに行くと、計測通りたしかに約20〜25ヤードほど前に到達していた。
「男子プロのように振れる人はごく一部だし新『RS F』が数量限定発売なのは納得です。でも、いろんなプロたちが新『RS』を選ぶ理由もしっかり体感できました。ヘッドのつかまりがニュートラルになり、より本格志向な競技者が求める強い球が打てます。
つかまりが穏やかでいて操作性も上がったし、低スピン性も増した上、一撃の飛び・弾きの良さが増した感じ。トランポリンみたいにフェースがたわんで真ん中打点の初速がすごいことになってますね。実戦向きというか、コースや天候に合わせた弾道も作りやすくなってます」
取材協力・千葉カントリークラブ川間コース
撮影・山代厚男