昨年のマスターズを制した松山英樹の姿は誇らしく、ゴルファーにとってはまぶしいばかりだった。そのひとコマとして、あの最終日に彼が着ていた、白地にイエローのボーダーが入ったポロシャツの記憶も今なお鮮明だ。そして彼が連覇を目指すマスターズがもうすぐはじまる。今年のマスターズで着る勝負ポロシャツはどうなるのか? デサントで、スリクソン by デサントのウエアを担当し、松山英樹のリクエストに応えてきた岡田育朗さんに聞いてみた。
「マスターズで彼が着るポロシャツの候補は2モデルに決まっています。どちらを選ぶのかは、最終的に彼が決めるのですが。2モデルともすでに店頭に並んでおり、素材などは若干異なりますが、デザインは同じで、松山英樹が求める機能性もほぼ同レベルのポロシャツになっています。」
なんとも気になる、そのポロシャツ2モデルを紹介しよう。
柄をどのように表現するかでベタつきの度合いも変わる
ひとつめの候補ポロがこの「クロスブライトライン ジャカードポロシャツ」。グラフィックなパターンと少し艶っぽい発色には独特なニュアンスがあり、コースでも存在感を見せるに違いない。素材はポリエステル100%。ソフトでありながら、テロテロしない程度のほどよいハリをもっている。ストレス知らずのストレッチ力、汗によるベタつきを防ぐ優れた吸汗速乾性、さらにUVケア機能も備えた機能的でスポーティなポロシャツとなっている。
とりわけ注目したい機能が吸汗速乾性だ。松山英樹が試合で着用するポロシャツに求めるのは伸縮性より、むしろ汗をかいた素肌が、ポロシャツにまとわりつかないことだという。そのためにはポロシャツを常にドライに保つ吸汗速乾性がキモとなる。スイングするとき、ポロシャツがベタついて、体の動きを妨げることを防ぐ吸汗速乾性こそが、2016年以来、松山英樹が着るポロシャツを作り続けてきたスリクソン by デサントのポロシャツのこだわりでもある。
この「クロスブライトライン ジャカードポロシャツ」も吸汗速乾性を高めるためのアイデアが込められている。それはグラフィカルなデザインに隠されていた。
「通常であればこうした柄にはプリントも多く用いますが、ここではポリエステル糸を使用した生地の編みで柄を表現しています。プリントとは違う手法を使用しているのは、いうまでもなく吸汗速乾性を高め、まとわりつきを防ぐためです」と岡田さんは言う。松山英樹とともにポロシャツを作り続けてきたことで蓄積されたノウハウが応用されているのだ。
問い合わせ先はこちら
気がつかないような細かなメッシュづかいがドライを保つ
もうひとつの候補ポロシャツが「スムースメッシュクロスライン プリントポロシャツ」。このポロシャツは、松山英樹が優勝を飾った、昨年のZOZOチャンピオンシップで着用していたモデルでもあり、印象に残っているゴルファーも多いのでは。彼にとっても験のいいデザインのはずだ。やや薄手でソフトなポリエステル素材は快適な着心地で、「X」をモチーフとしたデザインはシャープでスポーティ。小さめな襟も効果的だ。こちらも適度な伸縮性があり、吸汗速乾、UVケアに対応する。
こちらのポロシャツもやはり吸汗速乾にはワザを見せる。それはメッシュ素材の使い方にあると岡田さんは言う。
「遠目にはプリントのポロシャツに見えますが、編地でメッシュのボーダーが表現されています。メッシュを用いることで通気性を高め、素材の吸汗速乾性をさらに高める役割を担っています」
ふたつのポロシャツでアプローチこそ異なるが、松山英樹が求める、まとわりつかないポロシャツを目指すというのは共通のテーマとなっている。
問い合わせはこちら
では松山英樹は、上記のどちらのモデルをオーガスタで着るのか? もしもマスターズの期間にラウンドする予定があれば、実際に彼が着るものと同じデザインのポロシャツを着たら、間違いなくテンションは上がる。そこでもう一度、どちらを着そうなのか岡田さんに聞いてみた。
「私たちがリクエストできるものではありませんし、ギリギリまでわかりませんね。ただ漏れ聞くところによると、『クロスブライトライン ジャカードポロシャツ』のデザインを着るのでは、という情報は入ってきていますが…」
昨年、松山英樹マスターズ着用ポロシャツが人気を集めたことを振り返ると、いち早くゲットしておくというのも賢明かもしれない。
撮影/蜂谷哲実