昨シーズン、ツアールーキーとは思えない安定した戦いぶりで賞金ランキング4位となった西郷真央が、開幕戦で初優勝。アマチュア時代から活躍していた西郷はプロになってからは、『TOUR B XS』ボールを使用。国内外でBSのツアーボールを選択している選手が増えている。<br><br>text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images
再スタートを切ったイ・ボミは、心機一転するようにクラブも本間ゴルフの新製品『TW757』にほぼ変更していた。驚いたのはボールで、こちらも西郷と同じブリヂストンの『TOUR B XS』を使用していたのだ。飛距離とアプローチでのスピンの性能、そして軟らかなフィーリングが気に入って、使用してみたいと感じたのだという。新たにブリヂストンとボール・グローブの契約を交わしている。
イ・ボミの使用契約と同時に発売されたのは、かつて世界ランキング1位ジェイソン・デイとのボール契約だった。長年、テーラーメイドの看板プロとして活躍したデイだが、昨年から用具契約がフリーとなり、ドライバーはピン、アイアンはミズノやテーラーメイドを使用していた。その際、ボールも『TOUR B X/XS』に変更していたのだ。
ジェイソン・デイは『TOUR B X』(左)、イ・ボミは『TOUR B XS』(右)を使用
もともと尊敬するタイガー・ウッズが使用するボールということで興味を持ったというデイだが、シーズン当初はその影響もあってか軟らかいタイプの『TOUR B XS』を使用していた。しかし実戦に投入してじっくりと見極めていく中で、より打感がしっかりめの『TOUR B X』に変更していた。この軟らかめからしっかりめのボールに変わるのは、ブライソン・デシャンボーと同じケースだ。デイがボールの性能を非常に気に入ったことで、今年、改めて契約を結ぶかたちになったという。
デイは、自分のアグレッシブなプレーを支えてくれる大きなアドバンテージのあるボールと『TOUR B X』を評価している。近年は体調不良やトラブルも合って、本来の活躍ができていないが、「ファーマーズ・インシュランス」最終日の追い上げでは復活の兆しが見えており、新しいボールで今シーズンの活躍が期待できそうだ。
西郷真央に続き、サイ・ペイインも『TOUR B XS』で初優勝を飾った
先週は「明治生命安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でサイ・ペイインがツアー初優勝を飾り、これで開幕から2試合連続で初優勝者が誕生した。二人に共通するのは、どちらも『TOUR B XS』使用者という点だ。
2020-2021シーズンは全52戦で半分近い24勝を挙げ、驚異的な勝率となった『TOUR B X/XS』ボール。その勢いは今年もまだ続いている。
イ・ボミやジェイソン・デイのほかにも、これまで別のボールを愛用していたという選手が、『TOUR B X/XS』をテストしているというウワサが、国内外から聞こえてくる。さらに驚くような選手が使うケースも今後出てくるかもしれない。