ロマン派ゴルフ作家語る
ミドルアイアンは、大きすぎず、それでいて十分に安心感を得られる程良い大きさのヘッドです。ショートアイアンは、XXIOらしさが爆裂しています。とにかく、ヘッドが大きいのです。構えると、ボールをどこにセットして良いのか、戸惑うほどで、ボールが小さく見えます。
『XXIO X-eks アイアン』は、ヘッドスピードは速いゴルファーで、やさしくゴルフがしたいと考えているゴルファーにオススメです。ひと言で書くと、鉈のような無骨な武器というのが、試打し終えた直後の感想でした。
世の中には、ヘッドスピードが速いゴルファーは、上手い人が多いという法則があるようで、ヘッドスピード速いゴルファー用に作られたクラブは、日本刀のような切れ味を誇るものが多いのです。使い手の技量がなければ、日本刀は使い熟せません。だから、パワーヒッターなだけで、熟練のゴルファーではないゴルファーは、合うクラブがないという悩みを持っています。
『XXIO X-eks アイアン』は、特別なゴルファーに特化して作られています。
個人的には、もう少しXXIOらしさではなく、スリクソンのオーソドックスな部分を取り入れるべきだと思いました。アイアンは、癖が強いと使いづらいと思うのと、将来的に、その癖に慣れて、XXIOユーザーになっていく前に、オーソドックスなほうのクラブを選んでしまうように思うからです。
最も気になったのは、小細工が効きにくいところです。大雑把なゴルフになってしまうのは、実際の一般ゴルファーの実態であるとは思いますが、振り切ったスイングの基本形での機能にこだわりすぎて、テクニックが活かせないアイアンになっています。それこそが、未来のアイアンなのだという考え方もありますので、それをマイナスだと断言するのは、早計かもしれませんが。
『XXIO X-eks アイアン』は、テクノロジーが詰まったクラブで、最先端です。このアイアンでしか救われないゴルファーは、大多数ではありません。しかし、自分のために作られたと感じるゴルファーは存在します。今までのアイアンで満足できなかった、と考えているゴルファーは、一度打ってみて欲しいです。
合わないアイアンをどうにか自分の手足のように使い熟そうとする努力は、出口がない迷路だったりするのもゴルフです。思い切って、合うアイアンを探すほうが、何倍も早く安く上達できるハウツーになることもあるのです。繰り返しになりますが、『XXIO X-eks アイアン』は特別なゴルファーのためのアイアンなのです。
試打アイテムスペック
フェース素材:DHA 1 高強度特殊鋼(#4〜#9)クロムパナジウム鋼(PW〜SW)
ボディ素材 :軟鉄
ロフト :#7/29度、#8/33度、#9/38度、PW/43度
シャフト :N.S.PRO 860GH DST(S)