アイアンなのに、ウッド級の左右MOI!
PCM編集長(以下、P編) いや、ヘッド慣性モーメント(MOI)計測器は持ってるけど、ドライバーの計測がメインだからアイアンは測ってないよ。でも、大体ドライバーの半分くらいじゃないのかな? 左右MOIは3,000g・cm2もいかないでしょ?
筒康博(以下、筒) PINGの『G710』を初めて打った当時衝撃を受けましたけど、サイズ的にどのメーカーもそんなに変えられないはずですけど?
筆者 そうなんです。大体マッスルバックで2300前後で、大型キャビティでも3000を超えるものはPINGくらいしか無いです。そこへ来て、今日は4000g・cm2オーバーと言うヤマハの新作『RMX VD40』アイアンを持ってきたので、ぜひ計測して欲しいんですよ。じゃーん、コレです!この異形ネック見てください。左右MOIを上げるために、このネック部とトゥ側にウェイトが乗っかってます!
P編&筒 !!!!! うわぁ〜〜。(何このネック………)
P編 4000g・cm2って、ちょっとした小型のドライバーじゃない……。とりあえず本当かどうか測ってみるけど、このネック自体をゴルファーがどう受け入れるか?だね。先に2人で打っといていいよ。
筒 「構えるとめちゃいい顔!」
筒 まぁ。(7Iを構えるなり)!!!!! アレッ、これ構えてネックが隠れると普通にいい顔じゃないですか。サイズはこれ以上ないくらい安心感がありますし、デカヘッドにありがちな変なグースもさほど付いてませんね。(この顔なら、イケるかもしれない……)
―― 各番手を5球打つ ――
筆者 マジですか、筒さん……。めちゃくちゃアイアン上手くなってません!? 全然ブレてないですよね。ちょっと軽めのカーボンシャフトとかだと、いつも何球か左に巻いたりしますよね?
筆者 本当だ、ロフトは30°なんですけど、めちゃ球が高い。でも、なんで高く打ち出すと曲がらないんです? 高MOIとは曲がりに関係ないってことですか??
P編 「左右MOIがエースの倍近い」
純正カーボンの出来もいいし、このサイズでも変にバランスが出てるわけでもなく、完成品としてすごくバランスがいいのもあって、打点を外しても全然曲がりません。加えて、高く打ち出してくれるので、ショートアイアンみたいに、球のネジレが少なくなります。サイドスピンがほぼ入らず飛ぶのが異常ですよね。
P編 計測終わったけど、異常だね、このアイアン。本当に4,000g・cm2を余裕で越えてた。400ccのドライバーくらいの左右MOIだよ。FWとかUTも余裕で負けると思う。ちなみに、自分のエースのマッスルバックを測ってみたら2,400g・cm2弱だった。これでも、センター重心が追求されたやや重心距離が長めのやさしいマッスルなんだけど、比較にならないというか、倍に近いね……。(泣)
P編 「重心距離は極限まで長くない」
P編 ネックが飛び出して重くなってるから、このサイズの割にはそこまで長くないよ。以前PING『G710』の時は46mmだったよね、今回の『RMX VD40』で43.1mm前後だから長い方ではあるけど極限ではないね。高MOIにしながら、扱いやすい重心距離の範囲を追求してる。
筒 なるほどね、このデカヘッドの割に、どうりで扱いやすいと思いました。純正カーボンで打つ分には、つかまらないと感じる人は少ないと思いますよ。
P編 でもさ、曲がらない理由はよく分かったけど、問題はラフだよね? これだけネックが飛び出してたら、芝に絡んで左に行っちゃわない?
筒 そう、そこだけは気になります。長岡さん、コースでチェックしてみましょうよ。
筆者 了解です。後日、チェックしましょう。
筒 「深いラフは突っかかる。でも、球がネジれない」
筒 深いラフはダメですね。さっきは特に左足下がりもキツめだったので、突っかかって巻きました。でも、浅めのラフなら全く問題ないですよ。それに、意外にソール幅が狭くなっているので、スパンッ!と抜けます。どうも、さっきから打っていて、この特殊なソール形状が打ち出し角の高さを生む気がしてならないです。前も後ろも取れているので、ロフトを付ける動きが普通のアイアンより遥かに効くというか……。
筆者 ………。(そんなことある!?)155yのショートホールですけど、ここは何番で行きます?
筒 8Iで行ってみましょうか。 !!!!!ほらァ〜、球、たっか!!!しかも、サイドスピンほとんどないでしょ。ピン一直線です。(ドヤ顔)
筆者 ………。(確かに……)
『RMX VD40』は、そもそも左右にブレない上、全部上がるからしっかり止まる。左右だけじゃなく、タテ距離も合いやすいから確実にパーオン率が上がりそうですよね。後は、このネックの異形を許容できるかどうかだけ。そこは、ゴルファーの見栄や好みもあるのでボクが言うべきことじゃないですけど……。
筆者 まぁ、カッコ良い道具にこだわってスコアや球が最悪だと、結果的にはカッコ悪いですしね……。筒さんに言われる前に、自分で言いました。
筒 ………。(そんなこと言わないってば!)
Text/Mikiro Nagaoka
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