カーボンクラウン・スライド式ウェイト!
PCM編集長(以下、P編) おっ、『RMX』もついにカーボンクラウンになったか。前作との違いは見たまんまじゃない。小さい『RMX VD』も大きい『RMX VD 59』も、ソールにスライド式ウェイトが付いた。つまり低・深重心で重心を調整可能って話でしょ?
筒康博(以下、筒) 普通にそう見ます。前作『RMX220』もルール上限に近い左右MOIが5800g・cm2近くありましたけど、可変スリーブのみで可変ウェイトは無し。たしか、藤田寛之プロもソールに鉛を貼って使っていましたよね?
▶▶▶ヤマハ『RMX220』『同120』を調べて分かった! 【極大MOI】なら今風スイングが身につく件
筒 ………。(唯一じゃないでしょ)
P編 そうなのよ!我々ヘタほど打点がバラつくから高MOIの恩恵が欲しいじゃない。でも【スクエアインパクト】が正直、一番難しい。なるほど、今回【本当に使える高MOI】の領域に踏み込んだってわけね! ちょっと、ポジションを変えてヘッド計測してみるから、待ってて!
可変しても、左右MOIは不変。何がいい?
筆者 そう。ソールは奇抜ですけど構えると本格派。ニュートラル・ドロー・フェードと順に3ポジションを可変してみましょう。ヤマハが言う最大の進化は、【MOIを変えずに重心角次第でスクエアヒットを探せる】ことらしいので!
筒 ニュートラルポジションから打ちましたが、純正シャフトに適度に張りもあるし、完成度高いですよ。ニュートラルでも少し大きめのドローでめちゃ弾く!(▶ウェイトをドロー可変)!!! 操作しやすいし、当たりが分厚く可変で操作性と出球が全然違う。(▶ウェイトをフェード可変)うわぁ〜〜右だ! 何これ、同じヘッドと思えないッ!
筒 可変は12箇所だから一粒で12度でしょ。ボクには基本スリクソン『ZX』的です。
可変で打感・球持ちが変わって正解がすぐ分かるし、教えてくれますね。重心角に反応してヘッド軌道が変化するので。ボクは元々インから来る度合いが強いので、フェード可変だとストレート軌道に近くなって弾く。ベスト可変はニュートラルの1個内側。スクエアな戻り具合と軌道が整って、分厚く押せて飛びます。
筆者 ………。(何ちゅう感知能力だよ、この人…)っていうか、ヘッド12個分も美味しく頂けるのか……。(ニヤリ)
P編 「こんなヘッドは他にない!」
筆者 ………。(興奮の理由を説明して…)筒さん、『RMX VD』とどう違うか、『RMX VD 59』もニュートラル・ドロ―・フェードの順で可変しましょ。
筒 大きい方も構えやすくなりましたねェ〜。前作『RMX220』よりグースが減ってキレイな顔だしカッコいい。じゃあ、ニュートラルから行きますよ。!!! ハイドローで『RMX VD』
筆者 最高到達点も、打ち出し角もめちゃ高いなぁ〜。可変もお願いします!
筆者 どうしました?
筒 ………。(危ッねェ〜)一瞬、ヘッドが230gになったかと思った。もう全くの別モノ。切り返し直後のヘッドの感じ方の違いに驚きましたが、一度体感すればもう大丈夫。自動的にやや右に飛ぶプッシュストレート系にしかならない。MOIが上限に近いだけに、『VD』より遥かに切り返しの影響が大きいし、この手のクラブはここで反応しちゃいけない。切り返しに敏感な人は、ボク含め、小ぶりな『VD』の方がオススメです。
P編 「重心距離も綺麗にフロー」
【重心角で調整】と言うけど、同時に【重心距離でも調整】しているわけだね。重心距離の調整幅は最大で5mmと狭く見えるけれど、ウェイトが20gと超効くからつかまり具合を調整できる。これなら日によってフェース角のブレ方が【被ったり/開いたり】と違っちゃう我々アマチュアが、その日の傾向に合わせて可変でスクエアインパクトが手に入る。高MOIが完全に活かせるね!
筒 過去のスライド式ウェイトは大体8〜12gですし、
P編 そう、違いを感じ取れなきゃゴルファーは可変しなくなるし、価値に気づけない人も多いの。今回のヤマハは20gという誰もが変化を実感できるウェイトを載せつつ、圧倒的な高MOIを持つわけで昔とは全然違う。【高MOIを活かすため、スクエアインパクトが必要。だからこの設計になった】。成り立ちが違うよ。
筆者 な、なるほど………。
筒 「なぜか、高打ち出し・適正スピン」
筆者 それ、人間の感性工学的なデザインで、クラウンを盛り上げるため【わざわざカーボン素材にした】って言ってましたよ。ゴルファーは無意識にフェースの真ん中で当てようとしますけど、この形状だとそうなりやすいとか。ボクも、グラマラスなクラウンは大好物です! 昔のミズノ『MP-CRAFT H4』とか。
P編 それ、前作をチェックしていただけに気になってた。高MOIをいかようにでもコントロールできて、いい顔になったら、そりゃ使うよね。
筆者 では、最後に今回の2機種でベスト可変を言って締めましょう。ボクは『RMX VD』の1つフェード側可変! 筒さんは、1つドロー側可変でしたよね?
筒 はい。どっちのポジションでも問題ないですよ。結局、行った先で曲がらないので。村田さんは?
P編 還暦近い私は『RMX VD 59』
Text/Mikiro Nagaoka
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