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テーラーメイドの『SIM2 ドライバー』ってどんなクラブ?

ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!

配信日時:2021年4月2日 17時00分

「『SIM2』は後継機種ではなく、全く新しいと考えるべきドライバー!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典

<試打スペック>『SIM2 ドライバー』
ヘッド素材:グラファイト・コンポジット・クラウン&ソール+アルミニウムリング+ヘビーバックスチールウェイト
フェース :チタン(9-1-1)製ミドルバックカップフェース
ヘッド体積:460cc
シャフト :TENSEI SILVER TM50('21)(S)
ロフト  :9度(10.5度もあり)
長さ   :45.75インチ
ライ角  :56度


ロマン派ゴルフ作家の篠原です。
今回は『SIM2 ドライバー』のお話です。

アドレスすると、一瞬、460ccのドライバーよりも小さく見えます。外周にあるブルーのラインがヘッドのシェイプを締まって見せる効果があるようです。クラウンの高さもあります。難しそうだ、と感じたゴルファーは、打つ前から諦めても良いと思います。実際に、『SIM2 ドライバー』は軽い気持ちで打てるドライバーではないからです。

『SIM2 ドライバー』を打ってみると、強い棒球系のボールがでます。フェードの中弾道で、ランがでます。打音は、やや大きめの音量で、澄んだ金属系の美しい音質で、残響が心地良いです。

飛距離は平均で225ヤード。最も飛んだホールは245ヤードでした。

前重心で妥協がないドライバーに見えたので、ヘッドスピードが40m/秒の僕にはオーバースペックの手に負えないクラブかと覚悟をして試打を始めましたが、ドローを狙うとややドロップしたボールになってしまう以外は、苦労せずに打つことが出来ました。

『SIM2 ドライバー』は、低スピンの強いボールのフェードを打ちたいゴルファーにオススメです。ボールが上がりすぎてしまうゴルファーにもオススメします。


『SIM2 ドライバー』は、『SIM ドライバー』の後継機種ですが、個人的には、そう考えないほうが良いと思います。違う系統のドライバーです。直近のテーラーメイドの数代にわたるドライバーの中で、『SIM2 ドライバー』が一番のドライバーだと感じました。ツアードライバーとして、見事な総合力です。

色々なテクノロジーが進化して、最高点を叩き出す要因になっています。最も感じたのは、「ツイストフェース」と「ミドルバックカップフェース」が機能していることです。特にアドレスビューでのフェースの見え方には感心しました。ノンストレスでアドレスできます。


最後になりましたが、純正のシャフトが素晴らしかったです。全体がしなって、粘るし、反応も良いのです。実質的に「TENSEI SILVER TM50」は、『SIM2 ドライバー』専用のシャフトです。このシャフトだけでも試打をする意味があるとすら思いました。

『SIM2 ドライバー』を使えるゴルファーは限られていますが、挑戦しがいがあると考えられるのであれば、打つべきクラブです。テーラーメイドのドライバーは、飛ぶのは当たり前という流れになっていて、少し可哀想だと近年思っていましたが、『SIM2 ドライバー』を打ってみると可哀想という同情など無意味なのだと理解できました。本当に素晴らしいドライバーです。

コメンテータープロフィール

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。

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