ついに開幕!国内女子ツアー。使用ギアの変化は?
筒康博(以下、筒) 本当に。長岡さん、けっこう貼り付いて見てたんですね。何か新作ギアの投入とか、気づいたことはありましたか? ほら、テレビと違ってネット配信の場合は、画面のサイズや精細度的に新作の投入とかが分かりづらかったりしませんでしたか? 試合の取材も規制されてたみたいですし……。
筆者 いいとこ突いてきますね〜。ご指摘どおり、すごく色が違うとか、特別目立つデザインじゃないと、気付きづらいです。中でも気になったのはパターですね。オデッセイ『トリプル・トラック パター』を投入しているプロがいましたよ! お先に開幕しているPGAツアーではあまり確認できなかったんですけど、やっぱり国内女子ツアーはオデッセイの使用率が凄いですね。
筒 おっ、誰が投入してました?『トリプル・トラック パター』は形状もいろいろありますけど、どのモデルですか?
筆者 優勝争いしていた西郷真央に加えて、柏原明日架、西村優菜、福田侑子が入れていて、西郷と柏原が『トリプル・トラック 2-BALL パター』、西村が『トリプル・トラック ダブル ワイド パター』、福田の形状は『SEVEN』でしたね。やっぱり『トリプル・トラック パター』って、太いアライメントラインと3色の線があるので、遠目でも何となく分かりますよ。
去年の平均パット数1位、柏原明日架が『トリプル・トラックパター』
筆者 はい。元々パターがめちゃうまな柏原明日架なんですが、「ボールも3本線で元々カップに合わせるタイプですし、パターとボールの両方を合わせると、アライメントがぴったり。平行に合わせやすくなるから、ストロークに集中できます」と、投入を決めたそう。
筒 うわぁ〜〜、やっぱり分かってるなぁ〜、柏原プロ。大事なアライメントを強化してきたってことかぁ〜。
以前ボクもレーザーでテストしたことがありますが、フェースの縦の向きで合わせるタイプのボクは、左に1.5°くらいズレることが多かったです。で、それが分かったとしても、1.5°だけ感覚的にフェースを開くのって難しいし違和感があって気持ち悪いんですよね……(泣)
筒 そりゃそうですよ。自分にとっての真っすぐの基準が間違ってるって不幸なことですよね……。ほぼ大半のゴルファーがそうなんですけども。長岡さんみたいに、フェースの縦だけを合わせる人は、柏原プロのように平行をあまり普段意識してないですよね? 一度テストしてみます?
ヘッドの奥行きが短い形状でも3本線は機能する?
筒 ちょっと、試してから文句言ってよ! はい、『トリプル・トラック ダブル ワイド パター』と『CHROME SOFT トリプル・トラック ボール』をテストしますよ。まぁ、ものは試しで、比較のために何も線のないマレットパターと線なしのボールでテストしてみますね。ほら、頼れるのは視界の中のフェースの縦だけ。これが普段長岡さんがやっていることです。アライメントがその日の調子やグリーンによってズレるのも当たり前ですよね?
筆者 まぁ……。でも、それでも入る日もあるんですよ?
筒 長岡さん、ゴルフって確率のゲームなの、分かってますよね? じゃあ、『トリプル・トラック パター』と『CHROME SOFT トリプル・トラック ボール』で試しましょう。先にボールをカップに合わせて置いてから、その3本線に合わせて構えてみてください。自分のフェース向きだけに頼るのと、どっちが入るか?
筒 ほらァ〜〜、3本線が短い『ダブル ワイド』でも効果あるでしょ? あと、長岡さん、『トリプル・トラック』のパターとボールは、もう一つ、むちゃくちゃ大きな効果があるんです。よく、ショートパットが苦手な人がいるじゃないですか。そういう人をめちゃくちゃ救います。
筆者 ………。(なんか、グイグイ来るな〜)
筒 「カップの【内側狙い】が明確になる」
ボールの赤い線、つまり真ん中部分をカップの内側に明確にセットする。そういう意味でも、この3本線の付いたボールとパターは狙いを精密にできる点が素晴らしいですよね。ボールとパターの3本線を合わせるメリットはそれだけじゃなくて、毎回ボールを目の下の同じ位置に置けるから構え方もストロークも安定します。常にフェースの芯でヒットしやすくなるのは言うまでもないですよね?
筆者 なるほど!!! これは使えますね!
筒 ………。(なんだよ、急に大声出すなって…)え? そこ!?
筆者 いや、ボク、実はショートパットって丁寧に打つとか狙うんじゃなく、カップが視界の中に見えるので、フェース向きをカップに合わせて強く打つだけでラクだと思ってたんです。でも、実際は横傾斜とか下りとかでけっこう外すことが多くて……。そりゃそうですよね、カップ内側とか、カップを少し外すとか、超アバウトなフィーリングでやってたので。このボールの赤線と、パターの3本線の本当の使い方は、【絶対に外せない・クラッチパットを精密に打つため】ということか…。っていうか、筒さん、何やってるんですか?
筆者 は? 何が?(もしかして、ボクの意見なんて無視っていうか、眠いってこと!?)
筒 一旦、3本線のボールとパターで正しいアライメントを取れば、こんなショートパットなら目をつぶっても入るというか……。分かりやすく表すなら、こういうことでしょ?
筆者 ………。(ホッ、そっちか…。でも、こんなに良いこと言ってるのに、最後の最後で自らスベりにいくとは……)
Text/Mikiro Nagaoka