1983年に違反となった『カーボンアイアン』をゲット!
筆者 へぇ〜、ヨネックスって確か、カーボン製ヘッドのやり始めでしたっけ?
P編 そうだね、ヨネックスが83年に『カーボンアイアン』でカーボン製ヘッドに注力し始めて、その後プロギアも88年に『インテスト』というUTの前進となるクラブでフェースにカーボンを使用してた。あ、でも、『カーボンアイアン』は一度違反になったっけ……。
筆者 え、なぜ違反なんですか? 飛び過ぎたから?
P編 2番手飛ぶとの触れ込みだったけど、R&Aの認可は得ていたのに、JGAからソールの金属部分の補強の件で突っ込まれたみたいだね。長岡、『エアロナ』含めて一度テストしてみるか? 最新アイアンとどれくらい違うのか気になるだろう?
HS45m/sのP編 「スペックは別物!長さも違い過ぎる」
筆者 はい、これが幻の違反アイアン、ヨネックスの初代『カーボンアイアン』です。比較するために、最新作『EZONE GT』の同番手も借りたので、約37年前のアイアンと最新作がどれくらい違うのか? 試してみたいなと。
P編 おぉぉ〜〜、コレかぁ〜〜、37年前のアイアンなのにシャフトの仕上げもヘッドもキレイだなぁ〜。私の『エアロナ』よりもさらに短いね。最新の『EZONE GT』と比べると、ヘッド1個分くらい短いよ。これ、何インチなんだろう、筒さん、測って!
ユニバーサルゴルフスタジオ・筒康博(以下、筒) 同じ7Iの比較ですけど、『カーボンアイアン』が36.75インチで、『EZONE GT』は38インチ。1.25インチも差がありますよ!?ロフトは『カーボンアイアン』も村田さんの『エアロナ』も31°で、当時のアイアンからすれば確かにストロングロフトですね。当時は7Iでもプロモデルは36°とかだったと思いますし。それが最新の『EZONE GT』の7Iは26°です……。
P編 なるほどね……、長さが1.25インチ『EZONE GT』より短くて、ロフトが5°も寝てるってことね。それだと最低2番手以上は絶対に『EZONE GT』が飛ぶ計算になるけど、まぁ、とりあえず打ってみるね!
―― 7Iを比較試打(各3球平均) ――
P編 ウワッ、『カーボンアイアン』ってハードだねぇ〜〜。(泣)シャフトが硬くて棒みたいだし、全体に重いからヘッドが全然走らない。そこで言うと、『EZONE GT』は長いから打つ前かなり不安だったけど、実際はめっちゃラク。力がまったく要らないね。
P編 ………。(自分で打っていて呆れている)っていうかさ、そもそもスペックが違い過ぎるよね? 表示は同じ7Iでも、中身が違い過ぎるよ!『EZONE GT』の方が全然軽いし、シャフトも柔らかいから、そりゃ飛ぶのは当たり前でしょ!
HS49m/sの石塚 「ナニコレ!? 初速がエグ過ぎる…」
ユニバーサルゴルフスタジオ・石塚(以下、石塚) おっ、新作ですか? ボクにも打たせてくださいよ。これ、幻の違反アイアンなんですよね? うわっ、顔はけっこうシャープですね……。でも、短いから打ちやすそう!
―― 『カーボンアイアン』✕5 ――
筆者 なんか、村田さんと同じで全部スライスしてますね……。でも、村田さんよりは飛んでますよ。MAXは175ヤードで、平均165ヤード弱くらいの計算になりますかね。
石塚 う〜〜ん……、グリップが硬化してカチカチなのと、カーボンフェースだと少しインパクトで球が滑る感じがしますね。それに、シャフトもすごく硬くて重く感じるんで、つかまりづらいというか、すごく打ちづらい……。(泣)当時はコレのどこが違反だったんですかね? たいして飛ばないような……。
P編 じゃあ、私の『エアロナ』を打ってみてよ。コレはやさしいし、名器だから!
石塚 おぉ〜〜、本当だ。こっちの方が軽いし、少し長めですけどバランスがいいですね。球も上がりやすいしつかまります。『カーボンアイアン』より最低6、7ヤードは飛ぶ感じですね。同じような素材と製法に見えるのに、『カーボンアイアン』から『エアロナ』って6、7年くらいですか? こんなに急激に進化するんですね〜。
筆者 じゃあ、37年後の『EZONE GT』を打ってみてください。
―― 『EZONE GT』✕5 ――
筒 石塚さん、一般ゴルファーのドライバー並じゃないですか。7Iですよ??? ほんと、勘弁してくださいよ〜〜。(グスンッ、7Iでボクの1Wのヘッドスピードを上回ってる……)
P編 っていうかさ、50ヤード以上って、長さとロフトのスペック的な差を超えちゃってるじゃない。何その距離!? やっぱり、カーボン素材の反発性とマイティマレージングの反発力の差が相当あるってことなのかな?
石塚 そうとしか思えないですよね。まさか、幻の違反アイアンより50ヤードも飛ぶとは……。クラブって、単純なスペック以上に見えないところでも進化してるってことですね……。いやぁ〜〜、『GT』凄いっす!
P編 ………。(俺の『エアロナ』は無かったことになっちゃったね…)
Text/Mikiro Nagaoka