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“ゴルフの科学者”が大幅飛距離アップ! ドライビングディスタンス1位の影に新ボールへの変更あり

text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images

配信日時:2020年3月16日 19時25分

ボール初速をコントロールする新発想ボール!

2月に発売された「TOUR B」ボール。タイガー使用球は青の「TOUR B XS]だが、デシャンボーが使うのは赤の「TOUR B X」だ

2月に発売された「TOUR B」ボール。タイガー使用球は青の「TOUR B XS]だが、デシャンボーが使うのは赤の「TOUR B X」だ

デシャンボーが現在使用しているのは、2月21日に発売されたばかりの新しい『TOUR B X』だ。デシャンボーといえば、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を水に大量に溶かして、その中にボールを入れて重心を測定する実験を行って、ボールを選んだエピソードが有名だ。あらゆるメーカーのボールを試し、最も重心位置が安定していたブリヂストンとボール使用契約を結んだ。

その際はより軟らかい『TOUR B330S』を使用していたが、早い段階で『X』に変更。そのときにも大きな飛距離アップがあったという。デシャンボーは「風の中でのショットが、一番のベネフィット(恩恵)。アゲンストでもドライバーショットの弾道が強く、ボールの力だけで7〜8ヤード伸びている感じがした」とコメントしている。

そしてデシャンボーは、新しくなった『TOUR B X』を契約選手の中でも最も早いタイミングで使用を開始した選手だ。デシャンボーがボールをスイッチしたのは、昨年9月の「グリーンブライヤー」。テストで凄い結果がでたため、待ちきれずに使用したという経緯だ。

新しい『TOUR B X/XS』では、タイガー・ウッズがその開発プロセスに大きく関わったことが知られているが、一方でデシャンボーもまた、その人並み外れた探究心から生まれるリクエストが、新しい『X』ボールの開発に活かされている。デシャンボーの質問は、開発者が持っているツアーボールの常識を覆すような大胆なものが多かったという。
初速をコントロールする、という新発想で飛躍的な性能向上を実現した(ブリヂストンゴルフ公式サイトより)

初速をコントロールする、という新発想で飛躍的な性能向上を実現した(ブリヂストンゴルフ公式サイトより)

NEW『TOUR B X/XS』は、衝撃吸収材を配合した「リアクティブ・ウレタンカバー」によって、アプローチショットの初速を抑え、コントロール性が向上したことが大きな話題になっている。厳しいツアーのコンディションの中でも、球威抑えた止まるボールを打てるのが特徴だ。そして、それに相反するフルショット領域での初速性能の高さを持ち、ドライバーでは飛ばし、アプローチでは止める、ボール初速をコントロールする「スピードコントロール・テクノロジー」がコンセプトだ。

「リアクティブ・ウレタンカバー」に注目が集まりがちだが、NEW『TOUR B X』の飛び性能の高さを如実に示したのが、デシャンボーだと言えるだろう。初速性能が高く、風に強い性能を持つ『TOUR B X』が、彼がこれまで取り組んできたスイング研究と肉体改造、そしてギアへのこだわりと、様々な条件が噛み合って、大きく飛距離のスタッツを伸ばすことが出来た。今季のメジャー大会でも優勝候補の一角になることは疑いようがない。

タイガー・ウッズの使用球ということで、どちらかといえば『TOUR B XS』が注目されがちだが、ツアーでは『TOUR B X』 の使用者も多く、マット・クーチャーも『X』で「SMBCシンガポールオープン」を制している。デシャンボーのように、より自分のプレー条件にマッチしたボールを選ぶことが、飛距離アップへの近道になるだろう。
「TOUR B」ボール使用プロが、口々にその優位性を証言している(ブリヂストンゴルフ公式サイトより)

「TOUR B」ボール使用プロが、口々にその優位性を証言している(ブリヂストンゴルフ公式サイトより)

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