P編 「とにかく、カッコいい。それだけでアリ」
筆者 「あぁ、『TR20』ですよね? カーボンの占有率が60%にも達したってやつでしょう? 日米共同開発の世界モデルということもあり、設計も新世代に突入したって感じがしますよね」
P編 「そんなこと、どうでもいいよ。とにかくカッコいい、それに尽きる。『TR20』は羊の皮をかぶった狼じゃなくて、狼の皮をかぶった羊だよ!」
筆者 「………。(分かりづれぇ〜、しかも、設計はどうでもいいの!?) た、たしかに、ジャスティン・ローズが最初に【ヤバいくらいカッコいい】と、絶賛していたってホンマが言ってました…」
PCM筒康博(以下、筒) 「去年のヒーローワールドチャレンジの時にローズ選手が初めてプロトタイプを投入した時に議論したじゃないですか。これ、ボクの脳内試打が当たってたと思うんですよね」▶HONMAの謎プロト『TR20』の脳内試打&ジャスティン・ローズへの憑依試打
筆者 「筒さん、ちょっと脳内試打自慢はいろいろ事実と予測で混乱するので黙ってて。まずは、村田さんの話から聞きます。筒さんの話は後でゆっくり聞きますから!」
筒 「………。(シュン)」
P編 「カッコよくて、打ちやすい。それ以上に何が必要なの?」
筆者 「あなたともあろう人が、そんなアマチュアみたいなコメントで許されるわけないでしょ! めちゃくちゃ初速が出るとか、テクノロジーとか素材とか、なにか感じたことがあるでしょう???」
P編 「今回に限って言うと、もう、私はホンマに直接『TR20 440』の9.5°をオーダー出しちゃったからね。これ以上、私に何を言わせるっていうの? もう、予約購入しちゃったんだから、今更あーだこーだ言う必要なんてないだろう?」
筆者 「………。(げっ、マジでもう予約したの!?)いやいや、最高評価をくだした、その意思決定の根拠について聞かせてくださいってば」
デザインが真っ黒のソールでアスリートライクなのに、打ってみるとミスにある程度強い中で、自分の思い通りにコントロールして打てる。ねぇ、こういうのって、女性と同じで【出会い】だと思うんだよ。ビビッと来ちゃったんだからしょうがないだろ? 好きな女性のどこが好きかなんて、くどくど他人に説明する必要があるか?」
筆者 「それ、でも【打ちやすい】というのは、シャフトの部分が大きいと思うんですけど、今回の『TR20』はヘッドが特殊な設計になったじゃないですか。その辺は?」
P編 「うん、好きだね。私は元々かなりロースピンなタイプなんだけど、多少スピンが入ってくれて球が安定する。ズボッとしっかりインパクトで押せて、薄いドローをいつでも打てそうな感じがする。もう、これ以上細かいことなんて言う必要ないだろ、もう買っちゃったんだから。あとは、3月まで届くのを楽しみに待つだけだよ。細かいことは筒さんに聞いて!」
筒 「これは『TR●●』が出たときの衝撃……」
筒 「ボクは細かくレポート出来ますけど、このクラブを正確に表現するのはめちゃくちゃ難しい。簡単に言うなら、2002年発売のプロギア『TR DUO』が出たときの衝撃に近いものをいま感じてます…」
筆者 「………。(そうきたか…)なるほど、プロギア『TR DUO』といえば、カーボンコンポジットクラウンのやり始め・開祖じゃないですか。今回ホンマの『TR20』という名前とカーボン素材をかけたってことですよね? 筒さん、そういうダジャレというか、オフザケはやめましょうよ……」
筆者 「う〜ん、『TR DUO』ってそんな感じでしたっけ!? カーボンクラウンのたわみで打ち出し角が上がるのがミソじゃなかったかなぁ…」
筒 「そうなんですけど、誰でも軽快に振れる【軽ヘッド】感覚がありつつも、球持ちがよくて長く押せる。それでいて、初速が速くてぶっ飛ばせる感じが、ボクの経験上では『TR DUO』っぽいんですよ」
筆者 「それって、たわみが強いってことを表現してるんですよね?」
筒 「たわみの復元が強くて、長く押せる」
例えるなら、マウンドの2、3メートル前から投げた速球派ピッチャーの変化球って感じかな。強く前方向に押せるので、球の曲がり始めがその分遅い。曲がっても打ち出しからじゃなくて、かなり前に行ってから少し影響するだけというか…。ヘッドの単純なMOIとかじゃなく、たわみの復元とシャフトの動きが合わさって、長くインパクトを押す形になりやすい。これは、中・上級者ほど病みつきになるというか、現代風に見えるこのヘッドで、ここまでインパクト感を作れるモデルは珍しいです」
筆者 「それ、ぱっと聞くと【昔の古いクラブみたいな打感】に聞こえるのは気の所為ですか?」
ほら、体が温まって、調子がいい時にすごく長くボールを押せる【圧を入れた】インパクトって出来るようになるじゃない。『TR20』は寝起きの一発目から、そういう分厚いインパクトが出来るイメージだから、驚いたんです。村田さんも、長年の経験で飛ぶインパクトの体勢はわかってますしね!」
筆者 「クゥ〜〜村田さん、まったくヘッドのこと語ってなかったけど、筒さんの言ってることって、村田さんも同じですか?」
P編 「ふんっ、感じないわけないだろう。いちいち皆まで言わせるな、恥ずかしい!」
筆者 「………。(だから購入決めたのか、そりゃ、毎回長く押せたら曲がらず飛ぶなぁ…)」
Text/Mikiro Nagaoka