ミズノのぶっ飛び系アイアン、素材がクロモリに!
PCM編集長(以下、P編) 「おっ、これネックに《クロモリ》と書いてあるね。ミズノだけど今回は軟鉄鍛造フェースじゃないんだ。なんかちょっと風向きが変わったかな?」
PCM筒康博(以下、筒) 「最近、ヤマハ『RMX120』やホンマ『XP-1』もクロモリ鋼フェースのアイアンを出してますもんね。ツアープロでもクロモリフェースのアイアンを使う人もいますし、もっと言えばチタンフェースの『ゼクシオ』でこれまで女子プロが活躍している事実もありますから、軟鉄鍛造にこだわずに、やさしさを求めるならアリだと思うんですよ」
P編 「どれどれ、構えさせて。長岡、これぶっ飛び系なの? 普通にキレイな顔してるけど、PWの下にPG、G、Sと、4本ウェッジだね……」
筆者 「はい。7Iのロフトが26°のぶっ飛び系アイアンです。ミズノなのに珍しいというか、今までで一番ロフトが立ってます。でも、後ろが見えないからぶっ飛び系には見えないですよね」
―― ここで妙齢のマダムが近づき、話しかけられる ――
マダム 「あら、これミズノの新しいアイアン? 私、アイアンも全部ミズノを使ってるの。ちょっと見せてくださる? あらっ、このオレンジ色のシャフトの方は軽いわねぇ〜〜、これなら私でも打てるかしら?」
筆者 「………。(ヤベッ、新作見つかっちゃった…)」
P編 「これから試打でテストラウンドなんですよ。この軽さなら、奥さんに合うと思いますよ」
マダム 「そうよね、じゃあ、良さそうなら考えるので、後でお会いしたら教えてね!」
筒とP編は「軽さ」に、筆者は「長さ」に不安を抱きつつ、スタート!
筒 「まぁ、たしかに飛び系の代名詞ヤマハ『インプレスUD+2』も26°でカーボンは38インチですし、キャロウェイ『エピックフォージドスター』も同じ38インチです。言ってることは分かりますけど、ボクはそれより『PLATINUM MFUSION』の軽さの方が心配です……」
P編 「私も長さよりも軽さかな。さっきのマダムからご指摘があって、ちょっと意識しちゃってる…」
筆者 「分かりました。じゃあ、試打するのは青い『MFUSION』シャフトの方にしましょう。これなら358gと、ライバル機種とほぼ同じ重さなので!」
―― スタートホールはSでちょん乗せ。2ホール目のセカンドで7Iを使う ――
筒 「ほらぁ〜、だから大丈夫って言ったでしょ! ボクもフックめに打つと転がって6Iで210ヤードは飛んでます…。これ、UTですね、性能的には。もしかすると、アイアン型UTよりも弾道が計算できるかもしれません…」
P編 「私も7Iでかなり薄めに当たったんだけど、球が浮いてくれるのはビックリだね。それに、あんなに下目に当たったのに、打感がピリッとこない。クロモリって打感がぼやけると思ってたけど、軟鉄鍛造と変わらないし、ミスした時は軟鉄鍛造よりマイルドな打感だね!」
筒 「クロモリだけどミズノっぽさがある」
P編 「たしかに…。人によっては、言われるまで軟鉄鍛造だと思う人がいてもおかしくないよ。むしろ、球をつぶせない【シニア層からしたら、打感も音も軟鉄鍛造よりマイルドで気持ちいい】という人の方が多いかもしれない」
筆者 「ぐっ………。(たしかに…)」
筒 「そう、初速的にはしっかり弾くんですけど、クロモリフェースってなんとなく粘っこい打感を感じませんか? 多分フェースのたわみがそう感じさせるんだと思うんですけど、少しモチッとした粘りというか、ひっつき感があるというか…」
P編 「そうだね、『MFUSION』シャフトの影響はあるだろうね。このシャフト、手にとった時は軽さで頼りない印象だったんだけど、振ると全然印象が変わるね。手元側もややしっかりだし、真ん中も少し芯があるし、先端は走るけど暴れない。しっかりタメて打つ我々でも暴れず打てるし、タメがほどける人でも同じように動きが安定しているというか、合う人がかなり多いシャフトだと思ったね」
筒 「はい。もっと非力なスライサーのためにつかまえるように動くかと思ったら、幅広い人に合うし、球を安定させるタイプです。安定するのは、長さが他社より1インチ近く短いことも確実に影響してますね。打点が狂いづらいですし、クロモリフェースだからか、打ち出し角を足してくれます」