「老舗の名品のような究極のボール!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典
<試打スペック>
構 造/3ピース
コ ア/Super Soft FastLayerコア
カ バ ー/H.R.カバー
ディンプル/高弾道338スピードディンプル
『ゼクシオ イレブン ボール』をコースで打った最初の印象は、これこそが『ゼクシオ』である! でした。良い打音が響き渡ります。聞きたくない人まで振り向かせる鋭さは、ゴルフが上手くなったと錯覚させる魔法の力を持っています。
実際に飛んだ飛距離を測るまでもなく、ティーイングエリア周辺のゴルファーに「今のは飛んだ!」と納得させることができるのが『ゼクシオ』の伝統でもあるのです。
『ゼクシオ イレブン ボール』の打音は、音量が大きめですが、前モデルよりは少し抑えてある感じがしました。金属系の音質ですが、打ち応えは真逆に信じられないほどソフトです。ボールが潰れる感触を味わえます。
弾道は、少し高弾道気味になり、低スピンの棒球になりやすくチューニングされています。低スピンが打ちやすいスペックのクラブを使用しているゴルファーであれば、マッチングすることで最高の飛距離性能を堪能することが可能です。
僕のヘッドスピード(40m/秒)で打つと、『ゼクシオ イレブン ボール』はトップクラスに飛びます。ドライバーだけではなく、アイアンも飛びます。高弾道です。
独特の打ち応えがします。芯がないのです。この感触を「やさしさ」と感じるゴルファーが多くなってきたので、市場にあるボールは「芯感」が希薄なボールに溢れていますが、『ゼクシオ イレブン ボール』は前々からのソフト感に磨きをかけています。ウッド系のクラブで打つと、どこに当たったかが、わかりづらいほどのソフト感があります。
ソフトなボールでゴルフがしたいゴルファーに『ゼクシオ イレブン ボール』はオススメです。
『ゼクシオ イレブン ボール』は、止まらないというイメージがあると聞きましたが、ウッド系はランが出るのでその印象が一人歩きしているような気がします。アイアンは、まあまあ止まります。ショートアイアンで打ったボールが、落下点から1ヤードか、2ヤードで止まっていました。高さで止めるというだけではなく、それなりにスピンもかかっています。
『ゼクシオ イレブン ボール』は、良くできているボールです。全ての項目が高得点のボールです。個人的には、歴代のゼクシオの中で『ゼクシオ イレブン ボール』が最もオススメなボールになります。
伝統を維持するためには、守ることだけではなく、新しいことに挑戦し続けることが大事なのだと、現代の老舗は異口同音に主張しています。『ゼクシオ イレブン ボール』は、いわゆる老舗の名品のような完成度を感じさせるボールです。伝統だけではなく、革新も入っています。普通のゴルファーのための頼もしいボールです。
コメンテータープロフィール
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。