テーラーの“本家”スパイダーとは違う、柔らか打感!
P編&筒 「!!!!!」
筆者 「本家のテーラーメイド『スパイダーX』を持ってきたので、ボクはコレとの比較で打ちますから!(ボクのエースは『スパイダーツアーブラック』だし、こっちの方が結果いいはず…)」
―― カツッ✕5(スパイダーX)、コッ✕5(TEN)――
筒 「まぁ……。でも、『TEN』もホワイトホットインサートとかと比較すると、かなりしっかり打球音がしますよ。音量はオデッセイの樹脂インサートの中では、かなり大きい方だと思います」
P編 「まぁ、音は好みだからね。それに、使うボールのカバーによっても全然変わるから。それと今、初代『スパイダー』を打ってみたんだけど、これも【カツッ】だった。テーラーメイドは順回転溝を付けたアルミインサートが特徴だし、オデッセイの場合は樹脂の中に金属ヒンジを埋め込んで順回転を作る。
今回の『TEN』は【ホワイト・ホット マイクロヒンジ★インサート】で、フェースの凹凸が少なくなってるね。見た目に綺麗だし、硬めのカバーのボールを使う人には、合うと感じる人が多いんじゃないかな?」
『TEN』は引っかけない。『スパイダーX』との差はフォローに有り!
P編 「何をリキんでるんだよ、君は…」
筆者 「(無視して)あと、音以外にも違いを感じたのは、『スパイダーX』のつかまりの良さですね。【ショートスラント】同士で比べて、『スパイダーX』の方が小回り効くというか、よりブレード型ライクな気がしますね。なんだろう、ヘッドが軽く感じるというか、重心距離が短いのかなぁ……」
筒 「分かりますよ、ボクも同感です。逆に言えば『TEN』は引っかけませんよね?」
筆者 「そう。何というか、『スパイダーX』の方がフォローで当てて終わりの感じの方が結果がいいというか、『TEN』の方がフォローは成り行きになりやすいというか……。『スパイダーX』の方が【カツッ】系の音だからかなぁ〜〜」
筒 「はい。しかも、長岡さんが感じている『スパイダーX』の“軽さ”というのは、ある種正解です。重いパターの方が、フォローが成り行きになりやすいですし、同じ34インチの【ショートスラント】同士でも、『TEN』の方が10g重いです。『スパイダーX』の方がインパクトで操作できると感じるのは当然ですよ。それに、長岡さん…
筆者 「う〜〜ん、確かに……」
1Wとのつながり抜群!? “TEN慣れ”で好スコアサイクルか…
筆者 「だから、テーラーメイドのパクリじゃないんですか?」
P編 「あちゃ〜。まだ、分からない? あのね、ゴルファーってドライバーとパターのインパクト軌道が似るって聞いたことない? 我々も動作解析の『GEARS』で見てきたけど、近似した傾向があるんだよ」
筆者 「なんとなく聞いたことはありますけど、たまたまでしょ?」
筒 「長岡さん、組み上げられたクラブ全体の【クラブMOI】って分かりますよね? ドライバーだと平均値で今は2760g・cm2くらいで、34インチ【ショートスラント】の『TEN』が2737g・cm2と、かなりの近似値です! 『スパイダーX』も2740g・cm2!! 15年前のパターはもっとクラブMOIが低かったのに、年々ドライバーに近づいてます!!!」
筒 「(呆れて)パターの次に打つのは、ドライバーでしょう? 3パットした後、いつもドライバーを曲げ倒してるのは誰ですか??? なぜ、20年前とかのパターをプロが使わない? 使おうと思えば、キャッシュインでも使えるはず。でも、使わない。 アドレスして狙いを付けて、静から動に動かす。この“振りやすさ”には正体があるんですよ!!!『ストロークラボ』が、なぜ1W用のカーボンシャフトのテクノロジーをパターに応用したのか? そこには理由があるはずです。
そしてテーラーメイド『スパイダーX』より、オデッセイ『ストロークラボTEN』は10g重くて、フォローは成り行きにダラッと出して通過させていく感じ。より、オートマ感が強いわけですよね? ツアーでも、アマチュアでも、今どういうドライバーが求められているのか? 何が売れてるのか? ここまで言えば、あとは言わなくても分かるでしょ?」
筆者 「ぐっ………。(ハッとして) “ピン”と来ちゃいました……。(っていうかオデッセイ、そこまで見越してるのか、スゲーな……)」
Text/Mikiro Nagaoka