P編 「ヤマハは、日本人に合う【大MOI】の本質が分かっている」
PCM編集長(以下、P編) 「いや〜、業師の藤田寛之プロが
PCM筒康博(以下、筒) 「………。藤田プロも、ヤマハも、これまで培ってきた成功体験があるのに、それを捨てて変われることが凄い。守りに入らず攻める心意気に共感しますね。時代の変化で、いま日本の社会って、色んな業界でこれまでの成功体験が通用しなくなることだらけですよね? だからこそ、新しい正解を探しに行く。【我々に完成はない】って、まさにPCMラボとしては共感する考え方です。守りに入るのは簡単だけど、新しい価値を探し続けなきゃ、より良い未来は訪れない。何にでも当てはまりますよね」
筆者 「はい。やはり、シャフト軸線からの軸線深度と各種MOIがスイング中の何に影響するか? を、むちゃくちゃ突き詰めている印象でした。具体的には、これまで小ぶりでいい顔のモデルを好んできた藤田プロは、軸線深度が大き過ぎると【インパクトで遅れる】と感知して、反作用的な無意識の反射動作が入っていたそう。その反射を見越した調整で藤田プロが快適な状態を作れたそうです」
P編 「なるほど。だから、藤田プロのヘッドにはトゥ側に鉛が貼ってあるんだろうね。左右MOIが大きいと、直進性が高くなるメリットは本人もヤマハも深く理解している。でも、軸線深度が深すぎると反射が大きくなるから、軸回り慣性モーメントを上げることで、反射が起きなくなるってことか…。でも、ヤマハは分かってるよね、日本人が使いやすい大MOIヘッドの本質を……」
筆者 「ステイ! 村田さん、これ読む人に理解できる話をしてくださいよ……。筒さん、助けて……(難し過ぎる用語は勘弁して!)」
P編 「インパクト前のヒザ下位置で、何かを感じるはず」
そうすると、シャフト軸線からの重心までの【軸線深度】が深くなる。ゴルファーというのは、無意識にヘッド内部の空中にある【重心】を感知しながら振る生き物なんだ。そして、高精度センサーが全身と手先に張り巡らされた、技巧派・職人肌のプロゴルファーほど【重心】を感知する力が強い。
特に、大MOIヘッドだと、インパクトゾーンの入り口の、ヘッドがヒザ下くらいに来た時に、ものすごくこの大きな【軸線深度】を感知しやすくなる。この辺りで、“遅れすぎてる”と感じる藤田プロはつかまえる反射が無意識に入ってしまうんだろうね。これは下手な私でも感じるし、筒さんはもっとシビアに感じる。長岡が感じ取れるかどうかは怪しいけど……」
筆者 「大MOIなら、ボクも感じますってば!(キリッ) で? 日本人のための大MOIってどういうことです?」
特に『220』の方は、打って弾道を見ると、ほぼ購入されますね。だって、曲がらず飛ぶし、つかまりますもん。【ヒザ下の遅れ】と感じるどころか、挙動が安定して “何でこんなに曲がらないの?”“自分のドライバーより重いのに、なんで飛ぶの? つかまるの?” という反応がほとんどです。
左右MOIは極大で、軸線深度の深さから重心角が大きい。だから、
P編 「藤田プロがアプデした理由は、打てば分かる」
P編 「その裏話は私が話したんだろ!(私は『220』を買うけど…)」
筒 「長岡さん、
筆者 「そうそう、そういう簡単な方法が知りたいんですよ〜。難しい用語は禁止です!(チラッ)」
【初速が上がる極大MOIヘッドで意のままに振れるスペックを見つけたら、自分のゴルフがどう変わるか?】、これはいくら言葉で伝えても、中々分からないもの。案外、打てばすぐに理解できるんだけど、グース顔とか、小ぶりとか、デカヘッドは嫌いとか、そんな過去の常識や先入観に縛られている人ほど損するだけだよ。
だって、顔や打感で飯は食えないでしょ? アマチュアも結果が良いことしか望んでないじゃない。面倒くさいこだわりを出すのは、結果が伴わなくても良しとする一部のギアマニアだけでいいんだよ。(チラッ)藤田寛之プロは、そこをアップデートしてきたんだから凄いよ。いま、一番脳が進化している日本人プロなんじゃないかな」
筆者 「……………。(い、言うよねぇ〜〜〜、っていうか、いずれにせよ、このお題はマニアック過ぎて危険!!!)」
Text/Mikiro Nagaoka