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石川遼のドライバー飛距離が、16ヤード以上アップした理由とは?

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2019年9月19日 13時00分

石川遼がドライバー飛距離を大きく伸ばした理由

石川遼が愛用する『EPIC FLASH SUB ZERO◆◆◆(トリプルダイヤモンド)』

石川遼が愛用する『EPIC FLASH SUB ZERO◆◆◆(トリプルダイヤモンド)』

なぜ、石川の飛距離は短期間でこれほど伸びたのだろうか。

まず考えられるのが、ドライバーの変更が上手くいったことだ。昨年まで愛用していたドライバーは、キャロウェイの『XR16』。その名の通り、2016年発売のモデルで、同社自慢の“2本の柱”、「ジェイルブレイクテクノロジー」は搭載されていない。

故障から復帰後に愛用しているのは、『EPIC FLASH SUBZERO ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)』。“2本の柱”に加えて、AIによって開発された「フラッシュフェース」を採用したドライバーで、『◆◆◆(トリプルダイヤモンド)』はプロのために作られた「キャロウェイエクスクルーシブ」限定モデルだ。『EPIC FLASH』シリーズは今季発売されたモデルの中でも飛距離への評価が高く、石川の場合、ドライバーの進化を3年分一気に享受できたことは、小さくない影響があるだろう。

次に指摘したいのは、スイングの大幅な変更だ。ここ5、6年の急激なドライバーの進化に伴い、ツアープロたちのスイングに変化が起きているということが、指摘されるようになった。石川は、開幕前のフューチャーツアー参戦時には、腰を積極的に開き、その場でクルッと回るような素振りをしていた。明らかに近年のスイングトレンドを意識した動作だ。

もともと石川は、左サイドに大胆に体重移動して、フェースローテーションを大きく使うスイングの持ち主。中日クラウンズあたりでは、腰痛の影響もあってか、回転したい動きと今までのように踏み込みたい動きがスタックしているようにも見えた。

しかし、復帰戦の日本ゴルフツアー選手権では、だいぶバランスが改善されていて、その後の快進撃は周知のとおりである。現在もショット前や練習で、腰を積極的に開き、フェースを返さないような素振りを何度も行っている。切り返しから、クルッとシャープに回転するスイングは、新たな黄金時代の到来を予感させる美しさがある。現代の大型ヘッドと相性のいい、このスイング改造の成功が、飛んで曲がらない、新たな石川遼の誕生につながったのではないだろうか。

さらには、体調面の改善、トレーニングの影響など、飛距離アップの要因は数多くあるだろう。もともと、パッティングとアプローチ、そしてアイアンショットとも天才的な冴えを見せる選手だけに、秋の陣ではさらに勝利を重ねても不思議ではない。

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