ミズノがPRする「やさしさ」とは、Wポケキャビのこと
PCM編集長(以下、P編) 「原英莉花プロも、吉本ひかるプロも、可愛かったね!やっぱり若い子はフレッシュでイイ!黄金世代は、成績だけじゃなくトークもイケてると驚いたよ〜」
P編 「ごめん、ごめん。(しょうがないだろッ!)一番は、ミズノが『ミズノプロ920』で【やさしさ】を強烈にアピールしてきたことかな。ミズノの軟鉄鍛造のフラッグシップモデルと言えば、マッスルバックやセミキャビティを代表とする、中・上級者向けのアイアンなのが普通だったからさ」
PCM筒康博(以下、筒) 「(大声で)そう、それが言いたかった! 『920』推しなのが、凄く意外でした!(ホッ、村田さんのコメント、危うくボクが言うところだった…)」
筆者 「確かに……。でも、『ミズノプロ』ってそんなに中・上級者のイメージあるかなぁ〜。ボクの周囲では、いま【上手い人】というよりは、練習大好きな【これから上達したい人】が選ぶイメージなんですよ。だから、そんなに『ミズノプロ』自体に難しいイメージなんて無いというか。なんでやさしさなんてアピールする必要があるのかなぁ〜と……」
P編 「販売構成比が物語ってるじゃん!」
筆者 「う〜〜ん、まぁそうなんですけど、今日一番やさしい『920』を打ってどう思いました? 【ただのやさしいアイアン】だと思います?」
筒 「何言ってんのよ! こんなにW(ダブル)ポケットが大きくなって、一体成型の軟鉄鍛造アイアンなのに、慣性モーメントが上がってスイートエリアも広がってるんですよ? 球も上がりますし、やさしかったに決まってるじゃないですか!」
筆者 「いや、『920』のやさしさに疑いがあるわけじゃないんです。【やさしい】という言葉の中身が引っかかるんです…。だって、【やさしい】って幅のある言葉ですよね? 人によって捉え方が違うでしょう? 原英莉花プロと、吉本ひかるプロに、1つ質問をしたんですけど、その回答がボクの気持ちとすごく合致したと言うか……。とりあえず、下の動画を見てください」
原英莉花 「どこで打っても同じ打感なら、追求をやめるでしょうね」
筆者 「そう。打感って、よくフィーリングと表現されますけど、ボクは“性能”だと思う。だって、ショットのクオリティが良かったのか、悪かったのか、打ち手が気づけないと次の対策が取れない。だから、ただ【やさしいアイアン】という表現に違和感があるんですよ。同じやさしいでも、【打感のフィードバックが無くて良いのか?】と。
筒 「確かに、打感のミズノですからね…。今回聞いて驚いたんですが、薄いから割れないように軟鉄にボロンを加えた『920』も合計6回も鍛造で打ち込んで鍛えているんですって!普通のメーカーの軟鉄鍛造って3回程度ですから、倍ですよ、倍! だからか、ポケット部分が彫り込まれてフェースが薄いのに、打感が柔らかいです」
筒 「言われてみると、確かにポケキャビって死語ですよね…。これ絶対に5、6年前からの飛び系アイアンの隆盛のせいですって! ゴルファーがみんなアイアンにまで飛びを求めるからですよ! どのメーカーも、複合構造でウッド要素を取り入れるしかなくなったんだって!(大声)」
P編 「そうだよね〜、世の中の流れだから仕方ないのかなぁ……」
筆者 「ぐぬぬぬぬぬ………(複合構造でフェースを後から溶接したら打感が硬くなるし、振動吸収材を入れたら打感がボヤけるじゃん!!!)」