シルバー&ホログラム。『ディアマナZF』のコスメに脱帽
「シャフトのテスターとして長年やってきたので、厳しく三菱の新作を見たいと思います。コスメは相変わらずいいですね、シルバーで映り込みをするデザイン。ロゴ部分がホログラム調で、質感がいいです。この部分だけで欲しくなってしまうゴルファーは多いと思います」(甲斐氏)
と、「厳しくいく」と言いつつも、のっけかからコスメに褒め言葉が飛び出す甲斐氏。今作『ディアマナZF』について、「事前に情報を見ていない」と言い、筆者が情報を与えようとすると「前情報は要りません。余計な先入観が入ってしまうので、あくまで打った感想で厳しくいきたいので」と、テスターとしてのプライドを覗かせる。
「下のフレックスからいきましょう。今回『ディアマナ』初の40g台を出したんですよね? しかも、40g台だけでR2、R、SR、S、Xと5フレックスもあるんでしょう? なんか、フジクラやマミヤがやっていたことのお株を奪いにきた印象ですね……。じゃあ、【40R2】から打ってみましょうか」(甲斐氏)
甲斐 「これ、手元側が太くないですか?」
「グリップが太いせいもあって、フジクラやマミヤの40g台よりもしっかりしている印象はあります。単純に軽量シャフトだからといって、つかまりや高弾道をプラスさせるような軟派な印象はないですね。これは、三菱の『ディアマナ』ブランドだから、当然かもしれませんけど、古巣だったらこうは作りません……」(甲斐氏)
※カタログ値で『ディアマナZF』40R2のバット部は15.35mm、『エボV』の474R2は15.20mm
次なるフレックスを聞くと、「少し飛ばして【40X】で行きましょう」とのこと。これも1球目から、ストレートに飛びだし、5ヤードほどフェードする中・高弾道を放つ。「当たり前ですけど、いきなり硬くなりました(笑)でも、これ、まったく球がよじれない。普通、嫌な感じのショットだと、ボクの球は途中から大きくスライスしたり、フックしたり、飛び出してから曲がるはずなのに。なんか、全然弾道がよじれない気がする」とのこと。
そして、「すごく走るというか、ついてくる感じです。粘って遅れてくるんじゃなく、三菱なのに走る感じ。でも、インパクトではしっかり押せる。だからよじれないんじゃないかなぁ〜。これ、飛ばせるシャフトだと思いますよ」と語る。
甲斐 「表示の【中元】はおかしい(笑)」
次は【50X】【50TX】【50S】と、一気に打った。その全てのフレックスを1球目から、どストレート弾道を放つ甲斐氏。どのフレックスを打っても毎回「よじれんなぁ〜」となるため、筆者は困惑し始めた。なにしろ、ヘッドは『TS1』の9.5°で変わらないのに、フレックスを替えても毎回曲がらないなど、これまでの取材経験では考えられない。そうこうしていると、元シャフトメーカー社員らしい鋭い指摘が飛び出す。
「これ、三菱はカタログに【ミッドハイ】って書いてますよね。これが中元なんて、おかしいって(笑)まぁ、メーカーによって調子の表記はさまざまですけど、これを中元と呼んでいいんですかね? 手元側が明らかにしっかりだし、これだけ走るというか先調子っぽいフィーリングもあるのに、【中元】はないでしょ、【中元】は(笑)」(甲斐氏)
※カタログ値でキックポイントは45%(Tipから)
フジクラの歴代『スピーダーエボリューション』とも「似たシャフトが無い」と甲斐氏。「軽量のRやSRは強いて言うなら『エボ3』に近いかもしれませんが、『ディアマナZF』は走るけど、先端も硬くて押せる。フジクラに似たもの……、う〜ん、全部打ってから考えます」。さて、60g台以上はどう評価するのか!?