『TS1』ドライバー VS レーシングドライバー『影山正美』
1967年神奈川県生まれ。20歳でレースデビューし、98年には日産のワークスドライバーとしてGT500シリーズでチャンピオンを獲得。フォーミュラ・ニッポンでも3勝をあげている。また、ル・マン24時間耐久レースにも4回出場(最高位総合6位)するなど、日本のトップドライバーとして活躍。現在はレーシングドライバーとして活動する一方、ドライビングレッスン「Masami meeting」を主催。プロを目指す若手からジェントルマンと、多くのドライバー育成に力を入れている。 ゴルフはベストスコア72。ドライバーの飛距離は300yという飛ばし屋だ。
研ぎ澄まされた感性を生かしてトップレーサーに
弟の正美氏は日産ワークスドライバーとなった98年にGT500シリーズでチャンピオンを獲得したほか、フォーミュラ・ニッポンで3勝、世界的に権威のあるル・マン24時間耐久レースに4回出場(最高位総合6位)したこともあるトップドライバーだ。
「レーシングカーと同じようにクラブ試打も“ブラインドテスト”でいいですか?」
そんな正美氏に、タイトリストから7月5日に発売される『TS1ドライバー』を試打してもらうことにした。「ゴルフクラブはブランドのこだわりはなく、自分に合うモノを使いたいタイプ。ですが、タイトリストはPGAツアーで使用率NO.1ですし、かっこいいアスリートクラブというイメージがあります。楽しみですね」。
「ちょっと待ってください。クルマの性能をチェックするときはブラインドテストをすることが多いんです。情報を先に聞くと先入観を持ってしまうことがありますからね。ですから、今回も何も聞かずに打っていいですか?」
と事前情報なしで試打に臨んでくれた。
マイドライバーの総重量は325g! そんな正美氏の『TS1』の印象は?
アドレス、ワッグルでのファーストインプレッションを語り、いよいよ実打に。「このスピード感、ハンパないですね。これだけスムーズに気持ちよく振れるドライバーは初めてかもしれません」と正美氏。
でも打感が硬いわけではなく、フェースに喰いついている手応えもあるんですよ。元々、飛距離には自信があるので、正直いうと飛ぶクラブにそこまで魅力を感じていなかったのですが、これだけ飛ぶとやっぱり惹かれますよね(笑)」
『TS1』はマイクラブより50gも軽量! なのに力強い打感、弾道だった!
インプレッションをひと通り聞いた後、正美氏が思う『TS1』のスペックを聞いてみた。
「ボクのクラブより振りやすくスピードがでたので、総重量は300g、シャフトは60g台くらいですか?」
「やっぱりゴルフクラブも軽量化がキーワードなんですね。レーシングカーでも軽量化が非常に重要なファクターで、素材や構造などあらゆる面から軽量化を図っています。わかりやすくいえば、例えば小さなネジの出っ張りを削り、余剰重量を最適な場所に配置するということもするんですよ」。
「軽量=最先端」のレーシングカー。一方、ゴルフクラブの軽量化のイメージは?
「単純にボディを軽量化するだけではダメ。スピードに耐えうる剛性、安定性を担保しなければいけないし、タイヤやブレーキなどとのバランスも考慮しなければいけません。レーシングカーには最低重量の規定があるので、軽量化して生んだ余剰重量を最適配置し、車体を安定させています。レーシングカーの軽量化は、最先端テクノロジーを駆使しなければ実現できないことなんです」。
レーシングカーでは技術の結晶というニュアンスがある“軽量化”だが、ゴルフクラブではどうだろうか。もしも、『TS1』は総重量275gという数値を先に聞いていたら…。
事実、『TS1』は「タイトリスト スピード プロジェクト」から生まれた『TS2』『TS3』の兄弟モデル。徹底的にスピードを追及するため、極限までスピードシャーシを軽量化し、ヘッドの初速だけでなく、スイングスピードの最大化を狙った最新テクノロジーを駆使したモデルなのだ。
『TS1』が飛距離性能だけでなく、トータルパフォーマンスに優れている理由とは?
「もしも、理論上は速く走れるクルマを開発したとしても、実際にレーサーが乗ってみるとタイムが伸びないケースがあります。ですから実車テストを繰り返し、ドライバーのフィーリングと性能の誤差を埋めていくわけです。