P編 「よし、終わったよ〜」
P編 「よし、内部重心計測、終わったよ〜。筒さん、見てよ、コレ!」
筒 「!!! うわぁ〜〜〜」
筆者 「??? え、なになに?(2人で納得するのやめて!)なにか興奮材料でもあるんですか?」
筆者 「ボクと概ね感想が同じじゃないですか! 編集部のクローズド試打だったのに、村田さん、まさか見てました?」
筒 「見れるわけないでしょ。っていうか、村田さん、このクラブって純正シャフトの性能がすごく大きいと思うんですけど。特に純正ディアマナの優秀さですよ。軽いのに、暴れない。タイミングも取りやすいし、適度にしっかり感もある。総評すると【クセがない】と月並みな表現になりますけど、このヘッドのチカラと併せて、ゴルファーのスイングやタイミングのエラーを取り去る感じがするんですよ……」
筆者 「もう奥の手、出すしかないか…」
P編 「283グラム!」
筒 「296グラム!」
筆者 「(よしっ!)それ、ファイナルアンサー?」
P編 「いいから、早く答えを言えよ! 終電がなくなるだろ」
筆者 「正解は、9.5°のSで、【275】グラムです!(SUPERドヤ顔)」
P編&筒 「!!!!! 275??? ウソ〜〜〜〜ッ」
P編&筒 「(食い気味に)あり得ない!!!(大声)」
P編 「そっか、275グラムだったのか…。だから、フェースの下目に当たりやすいんだね。でも、下目に当たってるのは分かるのに、初速も速いし、変な球がまったく出ないからさ…。まぁ、驚きだね。振り切れる範囲で重い方が安定するなんて言うけど、この軽さでここまで安定するなんて、ちょっと考えられない…」
筒 「これ、タイトの姿をした軽量のPINGですよ!」
かといって、左にグリッとフックするかと聞かれたら、純正ディアマナではそれもほとんどない。例えば、女性用のクラブを長岡さんが打つと、すごく左に巻いたり、シャフトのしなり戻りが間に合わずに、スライスしながら右に吹け球を打ったりして、左右の花火大会になるじゃないですか。
そういうアンダースペックなクラブにありがちのミスが半分どころか、7割くらい減る感じです。言うなれば……、タイトの姿をしている、軽量のPINGです。アマチュアゴルファーのスイングエラーのカバー率で言えば、確かに100点に近い。少なくとも95点はあげられますよ!」
P編 「筒さん、ダメだって。ほら、長岡の鼻の穴が10円玉くらいに広がってるじゃないか…(概ね同感だけど)」
筒 「(無視して)打点ブレはヘッド性能の話ですけど、問題はスイングエラーを吸収する点です。本当に純正シャフトが秀逸で、純正ディアマナの方は打ち急ぎ系のエラーを取り去って、なめらかな挙動でタイミングのズレも吸収する感じ。
かたや、純正エアスピーダーの方は、打ち遅れ系のエラーを取り去って、振り遅れや、振れてない人をスピードアップしますね。走ってつかまりと上がりを増やしてキャリーが伸びます。そして、PINGにはここまで打ち遅れ系のエラーを持つ人を救うクラブが用意されてないんですよ……
ヘッド自体は、強烈なつかまり一辺倒ではないです。重心距離は短めですが、慣性モーメントが大きくて、軽量のPINGっぽい感じ。左にも右にも曲がりを減らすタイプで、シャフトによって性能が変わるニュートラルなタイプです」
P編 「………。(クソッ、筒さんめ〜、だから言わんこっちゃない…)このクラブは売れる。ただし、君の付けた点数なんて、そこには何も関係などないけどなッ!(キリッ)」
筒 「まぁ、軽量クラブの常識を覆してますし、球を曲げることにかけては世界ランク上位の長岡さんにフックやチーピン、吹け上がりを打たせないんでしょ? 普通ならそれは普通絶対にあり得ないことなので、100点でもしょうがないんじゃないですか?」
筆者 「………。(2人とも、もうちょい素直になってよ……って、終電もう無いじゃん!大泣)」
Text/Mikiro Nagaoka