谷口拓也 「ナニコレ!? めちゃ走るよ?」
谷口拓也プロ(以下、谷拓) 「ボクはテーラーの『M6』が好きだから、『M6』がいいよ。『デイトナスピーダー』ねぇ、なるほど。フレックスと重量はどの辺からいこうかな……。ボク、5Xとかがいいので、そこからいきますか?」
飯田 「プロ、今回の『デイトナスピーダー』は従来の重量帯とフレックスという形ではなく、R・SR・S・X・XXでそれぞれ重量がフローしている形ですね。Rで51.5g、SRで56g、Sで61g、Xで64g、XXで66.5gですね。プロの場合は、ヘッドスピード的にXでどうでしょうか」
谷拓 「へぇ〜、そうなんですか。珍しいですね、じゃあXと『M6』の組み合わせでいってみます」
筆者 「どうですか? 開発者の方は『VT』にも近いと仰るんですけど?」
谷拓 「ボクは『VT』ユーザーじゃなかったから分からないけど、これ、むちゃくちゃ走るよ。もう、手元が腰くらいまで来たら、一気にバキュー―――ン!!!って。ナニコレ!? むちゃくちゃ走る!」
筆者 「でも、いまフライトスコープの二田水さんにデータを見てもらっていますけど、まったく曲がってないですよ。そこまで走るって仰ると、普通は昔の初期のスピーダーみたいに、“飛ぶけど暴れる”みたいになってもおかしくないと思うんだけどなぁ…」
谷拓 「(無視して)いや、本当に走るね、コレ…。強烈だわ…。でも、手元側は硬いんですよ。しっかりしてる。それで、切り返して腰くらいまで手元が来たら、一気に戻る。なんというか、シャフトが体の正面で真っすぐの状態に戻ろうとするというか。その状態で一気に走るから曲がりも少ないというか。これだけ走るなら、絶対にヘッドスピードもボールスピードも上がるでしょ!」
筆者 「めっちゃ走る=超つかまる、ではない?」
谷拓 「復元が速いからつかまるのは間違いないんだけど、フェース開閉が加速してつかまるタイプの動きじゃないんだよ。なんというか、シャフトが真っすぐの状態をキープして、腰の辺りからすごいスピードで一気にドーーーン!と真っすぐ振り抜ける感じ。
だから、打ち出しも高くなるし、スピンも変に増えないよ。『M6』みたいなヘッドにもピッタリだと感じるね。それに長岡くん、飛ばすためにどういうシャフトが必要かってことだよ。飛距離が出せるシャフトって、まさにこういうタイプ。バーンと走らなきゃいけないし、つかまらなきゃ飛ばないからね」
フライトスコープ二田水さん 「いま計測しているフライトスコープだと、シャフトのしなりや加速が可視化できるんですけど、谷口プロのデータを見ると、あまりに加速するからか、少しインパクトで減速というか、無意識に調整を入れていますね。それだけ『デイトナスピーダー』が走るっていうことでしょう」
谷拓 「うわぁ、そうなんだ。じゃあ、ちょっとフレックスを落としてSにしてみようか。減速せずに、思い切りいきますよ。加速するシャフトだからといって、調整せず、バーン!といきます」
―― バシッ! ――
フライトスコープ二田水さん 「うん、いいですね。加速して飛んでます!」
谷拓 「やっぱり、このシャフト、ヘッドスピードもボールスピードも上がるよ。フレックスを落とすと、少し切り返しでもマイルドな感じが出て、一気に走るのは変わらず。飛ぶシャフトだよ、やっぱり」
Text/Mikiro Nagaoka