目指したのは、最高素材の“全部乗せ”。フジクラだから出来る!?
フジクラ飯田さん(以下、飯田) 「はい。『デイトナスピーダー』という力を入れた新作になります。フジクラだから出来ることを目指したシャフトで、簡単に言えば、複数社の素材メーカーをまたいで、最高素材の“全部乗せ”をしている贅沢なシャフトですね」
筆者 「なるほど。“全部乗せ”ですか……、なんか振り切ってて、ボクはそういうの大好物です!(ラーメンもカレーも全部乗せします…) でも、なぜ全部乗せする必要があるんですか? そうそう、『デイトナ』って名前の由来って、レーシングカーの『デイトナ』ですよね?」
筆者 「な、なるほど…。(最高速度の加速感!?)確かに、2019年モデルはテーラーメイド『M5』『M6』を代表に、キャロウェイ『EPIC FLASH』シリーズ、タイトリスト『TS3』『TS2』、ミズノ『Mizuno Pro』シリーズなどなど、フェースの反発性能が引き上がっていますしね。そのボールスピードを更に強化しに行くとは……。(貪欲だなぁ〜、高級素材全部乗せというか、ボールスピード全部乗せ!?)」
飯田 「あ、長岡さん、違います。今回の『デイトナスピーダー』は大手メーカーのカスタム対応商品ではなく、カスタムパーツ専門の工房で組み上げるお店用の“ジュエルライン”の商品です。ちょうど開発者の古川がいるので、よければ話を聞いてみてください」
古川 「地球上にある最高の素材で、コスト度外視の飛距離を」
フジクラ古川さん(以下、古川) 「開発の古川と申します。『デイトナスピーダー』に関して何か質問はありますか? 何なりと聞いてください」
筆者 「はい、あります! まず、さきほど飯田さんが【最高速度の加速感】と仰ってた部分なんですが。これ、スピーダーといえば、歴代モデルが色々とありますが、ほとんど全てがスピーダーの名の通りで、加速感が売りなわけですよね? 【最高速度の加速感】って、過去モデルで何か近いものはありますか?」
古川 「そうですね、『モトーレスピーダーVT』などが挙げられるでしょうか」
古川 「開発思想が【コスト度外視で地球上にある最高の材料を使って飛距離を追求する】ですからね。『VT』よりも更に上の、この世で最も硬い『90tカーボン』を使っているだけではなく、『DIAMOND SPEEDER』で採用した『MR70』や、『PLATINUM SPEEDER』で使用した『トレカT1100G』も積層しています。
本来クセの強い素材ばかりでケンカしがちなのですが、金属繊維のボロンを使って個性の強い素材をまとめました。最高の飛距離性能がありながら、振り心地、安定感があるのはボロンの影響が大きいです。高品質素材同士をコンポジットする技術と、メーカーの縛りなく最高の素材を使えるのは当社だけの強みだと思っています」
筆者 「最速の加速感だと、つかまるイメージですけど?」
古川 「………。(めんどくさいし、無理やりなツッコミだなぁ……)確かに、つかまりはいいと思います。ただし、今回の『デイトナスピーダー』はトルクを絞っていますし、シャフト剛性も高いので、単に走ってつかまるものじゃないです。鋭く切り返しても振り遅れることなく、インパクトゾーンで鋭く加速してボールスピードを上げると表現すればいいでしょうか…。とにかく、打ってみると分かると思います」
筆者 「わかりました。では、このあと谷口拓也プロと試してみますね!」