練習場ではそこそこいいショットが出ているのに、コースに出るとスイングが安定しない。そんな経験は誰にでもあるだろう。考えられる大きな理由は「アドレスが安定していないからです」と、諸見里しのぶはいう。アドレスの手順を間違っているから、ヘッドの重さを感じることができず手打ちを呼び込んでスイングを崩すのだと教えてくれた。ではアドレスを安定させてショット力を向上させる方法は? 現役時代、再現性の高い美しすぎるスイングと評判だった諸見里の答えは?
永井花奈の曲げない技術も、今回で最終回。これまでボール位置とバックスイングを整えてきたが、第3回目はフィニッシュだ。ツアーで戦うプロたちに「今日は何に気をつけていましたか?」とラウンド後に質問すると、返ってくる答えはほとんどの選手が「振り抜くこと」だという。ボールを打ってしまえば後はどう振ったって同じじゃないか、と思う方も少なくないのでは。でもそれは大きな間違い。さて、フィニッシュまで振り抜くことの重要さを解説してもらおう。
いつも同じボール位置で構えられるようになったら、次に気をつけるべきはバックスイング。アマチュアは「体重を右に乗せるという動作を間違えている」と、永井花奈。飛ばそうと思い体重移動を意識し過ぎるあまり、パワーをため込んだトップがつくれていないと指摘する。パワーをためたトップがつくれてこそ、つかまった強い球が打てるのだ。つかまった球を打つことこそ、曲げない技術。「体重移動を考えない」という永井のバックスイングについて詳しく聞いた。
年齢を重ねるとドライバーの飛距離は落ちてくる。加齢に伴って、体が硬化し筋力が衰えてくるからだ。そこで一所懸命に飛距離を伸ばそうと努力しても、10ヤードも20ヤードも簡単に伸びるのはまれだ。では、どうしたらいいのか。答えは女子プロのドライバースイングにある。身長155センチの永井花奈の平均ドライバー飛距離は224.96ヤード。そんなに飛ぶほうではない。だけど、ツアーの第一線で活躍している。そのわけは、曲げない技術だ。永井に「曲げない技術」を教えてもらった。
2000年度生まれの西村優菜は身長150センチと小柄で飛距離が出る方ではないが、ドライバーやフェアウェイウッドといった長いクラブでの正確性はツアーで一二を争う。つかまったドローを持ち球とする西村に、ドライバーのスライスを直す方法を直撃した。レッスン前編はインから下ろせるアドレスの作り方について。 取材協力/花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース 撮影/田中宏幸